書籍
AN ACCOUNT OF THE BLACK CHARAIBS · 1795
原題An Account of the Black Charaibs in the Island of St. Vincent’s; with the Charaib Treaty of 1779, and Other Original Documents
セント・ヴィンセント島の黒カリブ人に関する報告
1773年のカリブ条約およびその他の原文書を付す・1795年初版 日本語全訳
セント・ヴィンセント島の黒カリブ人(ガリフナ)の来歴、土地権、英国植民地政府との抗争、1773年条約、その後の戦争を、故サー・ウィリアム・ヤングの公文書から同名の息子が編纂した1795年刊行書。標題紙、献辞、本文、条約24条、宣誓文、署名者名簿、原注、折込および巻末の兵力表を収録しています。
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セント・ヴィンセント島の黒カリブ人、現在ガリフナと呼ばれる人々の来歴と、英国植民地政府との抗争を論じた1795年刊の報告です。故サー・ウィリアム・ヤングの公文書を同名の息子が編纂し、土地権、英仏の関係、1773年の条約、その後の戦争を扱います。条約の条項、宣誓、署名者、兵力と配置の表を伴い、島の支配を正当化しようとする側の論理を詳しく伝えます。
叙述は島が英仏双方によって中立とされた時期から、英国がより強く主権を行使しようとする過程を説明します。赤カリブ人と黒カリブ人の領域、フランス人との交わり、マルティニークの総督による支援が、土地をめぐる対立の背景に置かれます。著者は住民の占有の根拠を厳しく評価し、長年の居住や境界の記憶が、英国側の土地処分を妨げる問題として現れます。
重要なのは、耕作されていない森林をどう扱うかという争いです。本文は、黒カリブ人が広い耕作可能地を占有しながら開墾は一部にとどまると述べ、区画と売却、住民用地の留保、連絡道路の開設を提案します。道路がなければ主権を十分に維持できないという説明から、交通整備が経済上の便益だけでなく、軍事的な進入と領域支配の手段だったことが読み取れます。
1773年条約とその実施をめぐっては、首長との交渉、境界、服従の誓約、道路への反対が記録されます。道路を全域へ通す案が途中までに限定される妥協もあり、条文による取り決めが直ちに現地の同意と履行を意味しなかったことがわかります。フランス側の保護や助言への言及は、島内の争いがカリブ海全体の帝国間競争と重なっていたことを示します。
著者の言葉は英国政府とヤング家の行動を擁護する方向を持ち、黒カリブ人への非難や「恩赦」の表現もその立場に属します。先住民側の要求を直接代弁する書物ではないため、文書が何を問題として設定し、何を権利の根拠として認めなかったかに注意が必要です。条約、土地政策、軍事配置を合わせて読むと、植民地国家が居住者の土地を統治の対象へ組み替える仕組みと、それに対する抵抗の痕跡を具体的に捉えることができます。
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- 原刊
- ロンドン、1795年
- 翻訳版
- 70頁
- 図版・挿図
- 3点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Sir William Young(編)『An Account of the Black Charaibs in the Island of St. Vincent’s; with the Charaib Treaty of 1779, and Other Original Documents. Compiled from the Papers of the Late Sir William Young, Bart.』(London: Printed for J. Sewell; and Knight and Triphook、1795年初版)。
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