ナサニエル・ユーリング船長の航海と旅行の表紙

書籍

THE SEAFARERS' LIBRARY · 1928

原題The Voyages and Travels of Captain Nathaniel Uring

ナサニエル・ユーリング船長の航海と旅行

1928年「船乗り叢書」版・デュワー序説・注、本文全248頁、索引 日本語全訳

Nathaniel Uringナサニエル・ユーリング

ナサニエル・ユーリングが17世紀末から18世紀初頭に経験した大西洋、バルト海、西アフリカ、西インド諸島、北米、地中海への航海と旅行の記録。英領ホンジュラス、モスキート海岸、カンペチェ湾への航海と難破を含む1726年初版本文に、アルフレッド・デュワーの序説・注、索引を加えた1928年版を全訳し、同版所収の図版8葉を収録しています。

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『ナサニエル・ユーリング船長の航海と旅行』は、十七世紀末から十八世紀初頭の商業航海と戦時の海上生活を、船長自身の経験から描く記録です。大西洋、バルト海、西アフリカ、西インド諸島、北米、地中海を舞台とし、交易、郵便船の運航、海戦、拿捕、難破、陸路の旅を収めます。一九二八年版にはアルフレッド・デュワーの序説と注が付され、当事者の回想を後世の海事史的な検討へ結びつけています。

初期の航海では、アイルランド、バルバドス、ニューファンドランド、ヴァージニアを往来し、船上火災による危機を経験します。ルーク指揮下のバルト海やカディスへの航海は、商業活動と国家間の戦争が切り離せなかった時代を示します。西インド郵便船の運航でもフランス側に捕らえられ、航路の確保、敵船への対処、身柄と船の安全が、取引と並ぶ日常的な課題として現れます。

西アフリカではロアンゴやギニア海岸の交易と住民の習俗を記し、黒人交易者から聞いた内陸の情報も紹介します。北米や西インド諸島では産物と港、住民の生活に注目しますが、その説明は商人として何が入手でき、どこで取引できるかという関心に支えられています。目撃した事柄と他者の話が混じるため、土地の記述を読む際には情報が得られた場面も手掛かりになります。

中央アメリカ関係では、ヌエバ・エスパーニャ沿岸でのスペイン商人との取引、モスキート海岸付近の難破、カンペチェ湾やホンジュラス湾への航海が重要です。海岸沿いを舟と徒歩で移動し、食料や交通手段を確保する苦労が続きます。難破船のマストとヤードから筏を作って商品を救う場面や、ログウッド伐採者の暮らしと交易の記録には、航海者の実務と沿岸の生業が鮮明に表れています。

地中海ではチュニス、カルタゴの遺跡、フィレンツェやピサの見聞を記し、アゾレスでは火山と座礁に遭遇します。乗組員の陰謀や官吏との衝突も、船長の統率と交渉が必要だったことを示します。危険を免れた経験を神の摂理に結びつける語りや、他民族への評価には著者の時代と立場が現れます。多地域の地誌を含みながら、船を動かし、人と荷を守る仕事の連続として海上世界を描く旅行記です。

旅行記航海記植民地史民族誌英領ホンジュラスベリーズモスキート海岸中央アメリカカリブ海西アフリカ英語航海史大西洋世界西インド諸島奴隷貿易郵便船難破ホンジュラス湾18世紀前半

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原刊
ロンドン、1928年
翻訳版
350頁
図版・挿図
10点
原刊言語
英語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Nathaniel Uring『The Voyages and Travels of Captain Nathaniel Uring』Captain Alfred Dewar, O.B.E., R.N., B.Litt. (Oxon.) 序説・注(The Seafarers' Library, London: Cassell and Company Ltd.、1928年)。1726年初版本文の逐字再刊に序説、注、索引、半調写真図版8葉を加えた版。
権利・利用条件
1726年原著は著作権保護期間を満了しています。1928年版は米国でパブリックドメインであり、オーストラリア国立図書館も当該版を「Edition Out of Copyright」と表示しています。
公開日
更新日

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