ギニア、ブラジル、西インド諸島への航海の表紙

書籍

A VOYAGE TO GUINEA · 1735

原題A Voyage to Guinea, Brasil, and the West-Indies; in His Majesty's Ships, the Swallow and Weymouth

ギニア、ブラジル、西インド諸島への航海

1735年初版・序文、本文、原注、正誤表、巻末広告 日本語全訳

John Atkinsジョン・アトキンズ

王立海軍外科医ジョン・アトキンズが、軍艦スワロー号・ウェイマス号による1721–1723年の航海を記した1735年刊行書。マデイラ、カナリア諸島、カーボベルデ、ギニア海岸、ブラジル、西インド諸島をめぐる航海、各地の社会・交易・自然・疾病に関する観察を収めます。冒頭広告、標題紙、序文、本文、原注、表、正誤表、巻末広告を省略なく訳し、原刊の標題紙と船図を収録しています。

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王立海軍外科医ジョン・アトキンズが、1721―1723年のスワロー号とウェイマス号の航海をもとに記した旅行記です。マデイラ、カナリア諸島、カーボベルデを経てギニア海岸を巡り、さらにブラジルと西インド諸島へ向かう行程に沿って、港、交易、住民、自然、疾病を観察します。航海者の実用的な知識と外科医の身体への関心が重なるため、景観だけにとどまらない大西洋世界の記録になっています。

停泊地の説明はきわめて具体的です。フンシャルでは風向による危険、水深、投錨できる場所、浜の波、樽や水を船へ運ぶ方法を記し、港の利用が天候と人手に左右されることを示します。ギニア海岸でも各地点の航程、河川や海岸の条件が、補給と交易の可能性に結びつきます。日付を伴う記録からは、海上の移動が寄港地での待機や作業と連続していたことが分かります。

交易の部分では、象牙、食料、通貨として使われる小貝などの価格と交換関係が現れます。ヨーロッパから持ち込む貨幣と現地で使われる交換手段の違いは、取引の有利不利を左右します。沿岸の城や商館には、倉庫、工場、居住空間、礼拝堂が集まり、礼拝と商取引の相談が近接して行われます。奴隷貿易を含む当時の交易の環境も背景となり、ヨーロッパの海運とアフリカの社会が結ばれる現場を伝えます。

住民の衣服、挨拶、親族関係、宗教を扱う記述には、観察した行為をヨーロッパの読者へ説明しようとする工夫があります。現地の信仰を一笑に付すだけでなく、物質や神についての哲学的な考察へ進む箇所もありますが、理解の枠組みには当時の人種観と文明観が残ります。気候、熱、湿気、病気への関心も強く、外科医としての経験が、地域差や身体の変化を説明する視点を与えています。

後半のブラジルと西インド諸島の記録は、アフリカ沿岸だけでは完結しない航海の広がりを示し、ジャマイカの来歴にも触れます。著者自身の経験、他者から得た情報、自然や社会についての推論が混在するため、それぞれの確かさを見分けて読むことが大切です。本書は1735年の刊行時点で、大西洋を横断する海軍、商業、植民地社会を一つの航路として捉えた著作であり、寄港地の小さな実務から広域的なつながりを考えられます。

航海記旅行記植民地史民族誌西アフリカギニア湾ブラジルカリブ海西インド諸島バルバドスジャマイカ英語大西洋世界奴隷貿易王立海軍航海史ギニア海岸18世紀

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原刊
ロンドン、1735年
翻訳版
207頁
図版・挿図
2点
原刊言語
英語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
John Atkins『A Voyage to Guinea, Brasil, and the West-Indies; in His Majesty's Ships, the Swallow and Weymouth』(London: printed for Caesar Ward and Richard Chandler、1735年初版)。
権利・利用条件
1735年原刊の著者ジョン・アトキンズは1757年に没しており、原刊本文および原刊図像は米国・日本ともに著作権保護期間を満了しています。Internet Archiveに掲載された所蔵本のデジタル画像には、公開元および所蔵館の利用条件が適用される場合があります。
公開日
更新日

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