書籍
HISTORIA DE LA CONQUISTA · 1701
原題Historia de la conquista de la provincia de el Itza, reducción y progressos de la de el Lacandón
イツァ地方征服史
1701年マドリード初版・第一部
グアテマラ王国とユカタン諸州との中間地域におけるイツァ、ラカンドンなどの征服・帰順を記した1701年刊の歴史書。扉、献辞、出版審査・許可、全巻章目録、祝辞・詩、本文10巻128章、原注、巻末の主要事項索引と奥付を収録しています。
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ビリャグティエレの『イツァ地方征服史』は、グアテマラとユカタンの間に残る独立した地域へ、スペインの軍隊と宣教師が進出した過程を記す歴史書です。イツァ、ラカンドンなどとの接触、布教、交渉、遠征、湖上の拠点攻略、その後の統治を10巻にわたって扱います。新世界全体が初期の征服で一様に服属したわけではないという認識から始まり、支配の及ばない地域が残った理由を問います。
過去の接触を振り返る部分にはコルテスの通過、宣教師たちの訪問、ビコ神父らの死、ティプーをめぐる出来事が含まれます。現地の人々が受け入れや援助を求める場面も、宣教師が像を破壊する場面も記され、交渉と宗教的な衝突が併存します。著者は改宗を正当な目標とし、先住民の抵抗を強い否定語で語りますが、その語りの背後には、異なる信仰と支配をめぐる双方の判断があります。
遠征の本格化に際しては、王令、司教や修道会の提案、総督とアウディエンシアの判断、人員と物資の準備が詳しく述べられます。グアテマラ側とユカタン側の指揮官がそれぞれ行動し、命令と報告が往復するため、征服は一人の軍人の決断だけでは進みません。山地で道を失う、食糧が不足する、別の部隊の位置が分からないといった問題が、前進や撤退を左右する具体的な条件になります。
ウルスア、アメスキタ、パレデスらの行動を追う部分では、イツァの湖と島々が焦点になります。船の準備、交戦を禁じる布告、上陸や交渉、カネク王らの洗礼に関する報告が、征服の成果を示す出来事として並べられます。しかしその後も連絡路、人員の移動、周辺集団への対応が続き、島を押さえることと地域を持続的に統治することの違いが、物語の展開から読み取れます。
書簡や命令の引用が多い本書は、軍事行動の記録であると同時に、王権への奉仕とキリスト教化を称揚する著作です。先住民の意図や発言はその枠組みを通して伝えられ、抵抗や逃亡の説明をそのまま当事者の自己理解とみなすことはできません。行政の準備から現地の移動、征服後の処理までを連続して読むことで、17世紀末のペテン地方で、布教と武力、情報と補給がどのように組み合わされたかを考えられます。
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- 原刊
- 1701年
- 翻訳版
- 861頁
- 図版・挿図
- 1点
- 原刊言語
- スペイン語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Juan de Villagutierre Soto-Mayor『Historia de la conquista de la provincia de el Itza, reducción y progressos de la de el Lacandón』(Madrid、1701年初版)。
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