ラカンドン征服およびチョル征服の表紙

書籍

RELACIÓN HISTÓRICA VERDADERA · 1695

原題Conquista del Lacandón y Conquista del Chol

ラカンドン征服およびチョル征服

1695年ベルリン写本・全38章 日本語全訳

Nicolás de Valenzuelaニコラス・デ・バレンスエラ

1695年、グアテマラ王国総裁ハシント・デ・バリオス・レアルによるラカンドン、チョルほかの帰順遠征を、随行したニコラス・デ・バレンスエラが記録した報告。ベルリン所蔵写本 Y 796 [4°] の標題、献辞、全3冊38章、章目次を日本語化し、写本のfolio表示、削除・挿入・欄外注に関する転写注を保持しています。現代編者による注、解説、付録、索引は収録していません。

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『ラカンドン征服およびチョル征服』は、一六九五年にグアテマラ王国総裁ハシント・デ・バリオス・レアルが進めた遠征を、随行者ニコラス・デ・バレンスエラが記録した報告です。全三冊三十八章は当年の行軍だけに限られず、それ以前の王令、宣教師の旅行、帰順事業の準備を収めます。森林地帯へ支配と布教を広げようとする計画が、どのような文書、人員、資金によって動いたかを詳しく追える作品です。

前半には、イスタタンから山地へ入ったディエゴ・デ・リバス、チョルへ赴いたアグスティン・カノ、ホセ・デルガドやフランシスコ・ガジェゴスの報告などが置かれます。司教とドミニコ会、メルセー会の協力、教化集落を離れた人々の移住、修道士への手当も扱われます。王室の宗教的な使命と、住民を特定の場所へ集めて統治する実務が一体となっていたことが分かります。

遠征準備では、グアテマラ、チアパ、タバスコ、ユカタンなどの連携が問題になります。志願者と兵の募集、寄付の依頼、散弾銃や物資の用意、官職の任命、給与を支給し始める時期まで記されます。資力が乏しく家族に病人がいるため参加を辞退した人物の返答もあり、奉仕の要請が各人の生活事情に突き当たる場面も残っています。軍事行動の背後にある調達と交渉が、本書の厚い部分です。

行軍の記述では、警戒と守備、分かれた道の探索、案内の確保、書簡の往来、雨と嵐による停滞が重要になります。濡れた衣類を乾かせず帰還を迫られる状況は、計画上の進路と現地で可能な行動との差を示します。斥候や猟をする人々との接触などを通じ、遠征隊が土地の情報を得る過程も見えます。森林は単なる背景ではなく、補給と連絡を制約する要因として現れます。

叙述は総裁の尽力を称える献呈的な性格を持ち、先住民を「未改宗」「帰順」の対象として記しています。そのため、遠征を受けた側の理解を直接伝えるものではありません。王令や報告の引用、随行者としての観察、上官を評価する言葉を分けて読む必要があります。そうすることで、植民地の辺境支配が一度の勝利で成立するのではなく、長い準備と失敗、連絡、移住政策を伴う事業だったことが具体的に見えてきます。

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原刊
グアテマラ、1695年(写本)
翻訳版
500頁
図版・挿図
0点
原刊言語
スペイン語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Götz Freiherr von Houwald 編『Nicolás de Valenzuela: Conquista del Lacandón y Conquista del Chol』Tomo I: Texto(Colloquium Verlag、1979年)。ベルリン写本 Y 796 [4°] の本文転写。
公開元
1979年刊転写版。現代編者による注・解説・付録・索引は翻訳対象外。
閲覧情報
底本は1979年刊の転写版です。恒久的な公開全文URLは確認できません。
権利・利用条件
1695年原史料は著作権保護期間を満了しています。1979年刊の転写・編集部分には編者・出版社の権利が残る可能性があるため、本版は原史料本文のみを対象としています。
公開日
更新日

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