書籍
TRIBES AND TEMPLES · 1926–1927
原題Tribes and Temples: A Record of the Expedition to Middle America Conducted by Tulane University in 1925
部族と神殿
全2巻・1926–1927年刊 日本語全訳
フランス・ブロムとオリヴァー・ラ・ファージが、チュレーン大学による1925年の中央アメリカ調査をまとめた全2巻の記録です。メキシコとグアテマラの遺跡、地理、民族、生活を扱い、各巻の日本語全訳を巻別PDF・EPUBで収録しています。
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『部族と神殿』第一巻は、チュレーン大学が一九二五年に行った中央アメリカ調査のうち、出発と装備の準備から、メキシコ湾岸、タバスコ、パレンケ、エンカント方面へ進む前半を収めます。遺跡の調査と現地住民の生活観察を同じ行程の中で記述する点が特徴で、船、道路、宿泊、人夫や案内人の確保といった旅行の実際が、学術的な記録を支える条件として詳しく現れます。
トゥストラ山地とサン・マルティン・パハパン地方では、家屋、工芸、村落間の関係、共同体の財産と労働を扱います。料理や衣服、弓と銃の利用、漁撈の道具などを観察し、地域社会を変化のない古代の残存としてだけでなく、当時の交通や商品の流入の中に置いています。ミナティトランでは、木材輸出の港が石油と精製施設によって変わった様子も記され、調査地を取り巻く近代的な産業の存在が伝わります。
考古学の中心にはコマルカルコとパレンケがあります。コマルカルコでは煉瓦の寸法、焼成の状態、線刻意匠に注目し、建材から建築の特色を考察します。パレンケでは過去の調査の沿革をたどり、建物の配置、通路、増築の痕跡、碑文の日付表現などを検討します。判読できない文字が残ることも明記され、観察可能な特徴と当時の解読の限界を同時に知ることができます。
森林地帯への移動では、川を遡る舟、荷を運ぶラバ、通訳と地元の案内人が不可欠でした。エンカントの呪医を兼ねる舟の舵手、魂を呼び戻す祈り、倒木の危険にさらされた宿営などの記述は、遺跡の周囲に生きる人々と調査者の関わりを具体的に示します。情報を得るための交流と、旅行者による人物評価が交じり合っている点にも注意が必要です。
本巻は原刊の第一〜第十章にあたり、本文図一〜一九四、地図一〜四、図版一〜六が叙述を補います。遺跡の実測と生活の観察を横断できる一方、住民への呼称や宗教を評価する言葉には、二十世紀初頭の外部研究者の視線が反映されています。各場面を調査時点の記録として読み、地域社会そのものと著者の印象を区別することで、古代遺跡と同時代の生活環境が接する調査旅行の厚みが見えてきます。
第II巻の詳細概要 第II巻の詳細概要を閉じる
『部族と神殿』第二巻は、一九二五年のチュレーン大学調査の後半を収め、松林とオコシンゴ谷からトニナ、ツェルタル諸村、高地の都市、コミタン、グアテマラのチュチュマタネスへ進みます。第一巻の低地と森林の行程に続き、地形と生活環境の変化を追いながら、古代記念物、工芸、信仰、交易を記録します。多数の言語資料と索引を備え、旅行報告に加えて参照資料集としての性格が強い巻です。
トニナの章では、オコシンゴ谷を含む記念碑の一覧、石材の寸法、彫刻の状態、碑文の日付を検討します。風化による溝と人が刻んだ線を見分けるため、指先で表面を確かめるという記述は、図を作る作業そのものの難しさを伝えます。先行する遺跡記述を引用しながら、観察と実測によって記録を更新しようとする姿勢が、調査の具体的な手順として現れます。
ツェルタル社会の記述では、同じ言語の話者であっても村ごとに自治と慣行が異なることを強調します。土器製作の型、乾燥時の亀裂防止、共同の焼成、結婚をめぐる親子の関係、魂やナグアルに関わる信仰などを取り上げます。さらにサン・クリストバルの生活が先住民の食料、羊毛、運搬、労働に支えられることを述べ、都市と周辺村落の経済的な結び付きを具体的に描いています。
付録は、ポポルカ語語彙、ヨコタン語・チョンタル語・ツェルタル語・チャネアバル語・ハカルテカ語の比較表、ヨコタン語文法と祈り、ツェルタル語の祈りと会話などからなります。語彙をスペイン語のアルファベット順に配列する理由も説明され、採集した資料を後の比較に使える形へ整える意図が分かります。祈りの翻訳では語形の分析と意味の推測を分けて論じており、言語と信仰の記録を併読できます。
遺跡索引、チアパスの新聞書誌、気圧計による標高、単位換算表、参考文献も備えています。これらは旅行中の観察を地域研究へつなぐための道具です。一方、信仰を「迷信」と呼ぶ判断や住民への評言は著者の立場を示し、そのまま中立的な分類ではありません。図版と本文、聞き取りの訳文を照合することで、何を直接見て、何を聞き、どこで解釈を加えたのかを追える構成になっています。
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- 原刊
- ニューオーリンズ、Tulane University of Louisiana、1926–1927年
- 翻訳版
- 993頁
- 図版・挿図
- 386点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Frans Blom and Oliver La Farge, Tribes and Temples: A Record of the Expedition to Middle America Conducted by Tulane University in 1925, vols. I–II, Tulane University of Louisiana, 1926–1927.
- 公開元
- Tulane University公開の公式PDFを主底本とし、Internet ArchiveおよびLibrary of Congress公開資料で原刊構成と欠落地図を補完・照合しました。 ↗
- 権利・利用条件
- 1926・1927年刊の原著は米国でパブリックドメインです。Tulane Universityは公式PDFを無償公開していますが、公開ページにデジタル画像の個別ライセンス表示はありません。補完・照合に用いたInternet ArchiveおよびLibrary of Congressの資料は各項目の利用条件に従います。
- 各分冊の底本・公開条件
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第I巻
部族と神殿 第I巻
Tribes and Temples: A Record of the Expedition to Middle America Conducted by Tulane University in 1925, Volume I
- 原刊
- 1926年
- 構成
- 439頁・原刊本文1–238頁・番号付挿図194点・地図4点・図版6点
- 底本
- Frans Blom/Oliver La Farge『Tribes and Temples』Volume I(Tulane University of Louisiana、1926年)。
- 権利・利用条件
- 1926年原刊は米国でパブリックドメインです。Tulane Universityは公式PDFを無償公開していますが、公開ページにデジタル画像の個別ライセンス表示はありません。欠落地図の補完に用いたInternet Archive・Library of Congressの項目別条件を併記して扱います。
第II巻
部族と神殿 第II巻
Tribes and Temples: A Record of the Expedition to Middle America Conducted by Tulane University in 1925, Volume II
- 原刊
- 1927年
- 構成
- 554頁・原刊本文239–552頁・番号付挿図180点・地図1点・図版1点
- 底本
- Frans Blom/Oliver La Farge『Tribes and Temples』Volume II(Tulane University of Louisiana、1927年)。
- 権利・利用条件
- 1927年原刊は米国でパブリックドメインです。Tulane Universityは公式PDFを無償公開していますが、公開ページにデジタル画像の個別ライセンス表示はありません。照合に用いたInternet Archiveの項目別条件を併記して扱います。
- 公開日
- 更新日
- 訂正窓口
- 誤訳・誤植を連絡する ↗
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第I巻
部族と神殿 第I巻
439頁第II巻
部族と神殿 第II巻
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