マヤ人とラカンドン人の比較研究の表紙

書籍

A COMPARATIVE STUDY · 1907

原題A Comparative Study of the Mayas and the Lacandones

マヤ人とラカンドン人の比較研究

1907年初版・原刊前付、本文、原注、図版、参考文献 日本語全訳

Alfred M. Tozzerアルフレッド・M・トッザー

アルフレッド・M・トッザーが、20世紀初頭のユカタン・マヤ人とチアパスのラカンドン人を、歴史、居住環境、社会、技術、芸術、宗教の諸面から比較した民族誌。1907年初版の原刊前付、本文1–195頁、原注、表、参考文献を全訳し、本文挿図1–49と別丁図版I–XXIXを収録しています。

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アルフレッド・M・トッザーが、20世紀初頭のユカタンのマヤ人とチアパスのラカンドン人を比較した民族誌です。歴史と居住環境、社会生活、道具と技術、芸術、宗教を扱い、日々の物の使い方から儀礼の進行までを記録します。二つの集団を同一視するのではなく、共通する文化と異なる生活条件を比べ、過去のマヤ文化との関係を考えようとする研究です。

環境と物質文化の記述では、塩の入手、石製のメタテ、燧石の矢尻、黒曜石などが取り上げられます。ユカタンでの製塩、チアパスの塩水利用、ラカンドン人による交易での塩の購入を並べることで、同じ生活必需品でも地域ごとに確保の仕方が異なることを示します。道具の材料と製作法は、自然環境だけでなく他の人々との交換にもつながっています。

子どもの運び方や日常の道具をめぐる観察も、地域間の違いを具体的に伝えます。腰へまたがらせる方法、背中の網と額の紐で支える方法など、身体の動きと用具が一緒に記録されます。芸術や音を出す道具を論じる際には、絵文書に描かれた器物との比較も行われ、現在の生活を古代の図像の理解へ結びつけようとする著者の方法が現れます。

宗教の部分、とくにラカンドンの儀礼には詳しい記述があります。神に関わる土器、大小の容器、供物、詠唱を配置と順序に即して説明し、新しい器が前年のものに代わる更新の場面を描きます。トウモロコシ、豆、タバコの初物が熟す季節との関係から、著者はその儀礼を初物の供儀として理解します。物の形だけでなく、何をいつ供え、どの言葉や行為が伴うかが重視されています。

マヤ人の宗教も並べて扱うため、同じ地域史に属する人々の信仰が、接触と変化を経て異なる姿を示すことが見えてきます。ただし、観察された当時の実践を、そのまま古代から変わらないものとみなすことはできません。著者が記録した行為、聞き取った説明、古い文献や図像からの推論を読み分けることが大切です。本書は生活と宗教を切り離さず、材料の入手、技術、家族、季節、供物を相互に関係する文化として比較した、初期のマヤ民族誌のまとまった成果です。

民族誌考古学研究比較研究ユカタンチアパスラカンドン英語マヤ人ラカンドン人民族学宗教物質文化原刊図版20世紀初頭

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原刊
ニューヨーク、1907年
翻訳版
301頁
図版・挿図
78点
原刊言語
英語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Alfred M. Tozzer『A Comparative Study of the Mayas and the Lacandones』(New York: The Macmillan Company for the Archaeological Institute of America、1907年初版)。
権利・利用条件
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公開日
更新日

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