書籍
TRAVEL ACCOUNT · 1868
原題A Trip to British Honduras, and to San Pedro, Republic of Honduras
英領ホンジュラスおよびホンジュラス共和国サン・ペドロへの旅
1868年初版・原刊印刷表紙、標題紙、序文、本文3–125頁 日本語全訳
南北戦争後の1867年末から1868年春にかけて、ミシシッピ州出身のチャールズ・スウェットが移住候補地を調査するため英領ホンジュラスとホンジュラス共和国を旅した記録。ベリーズ、沿岸河川、オモア、サン・ペドロなどの土地、社会、産業、統治、移民政策を記し、原刊印刷表紙、標題紙、序文、本文3–125頁を収録しています。
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ミシシッピ州出身のチャールズ・スウェットが、一八六七年末から翌年春にかけて、英領ホンジュラスとホンジュラス共和国を移住候補地として調査した記録です。南北戦争後の米国南部への不満を出発点とし、ベリーズ、沿岸河川、オモア、サン・ペドロなどの土地、産業、生活条件、統治、移民政策を確かめます。観光や遺跡探訪を主目的とする紀行とは異なり、移住して生計を立てられるかという実際的な問いが、道中の観察を貫いています。
英領ホンジュラスの記述では、自然環境、農作物、カカオ、爬虫類と昆虫、労働者や使用人などを扱います。日付を付した旅の部分には雨、仮小屋、濡れた毛布、乏しい食料、風待ち、悪寒の発作が現れ、肥沃な熱帯という印象だけでは分からない滞在上の負担を伝えます。川や海を移動する際の遅れや体調の変化は、そのまま候補地の評価に関わります。地理と気候の記述が、移住者の身体と家計への影響へつながっている点が特徴です。
ホンジュラス共和国については政府と宗教、土地と移民をめぐる制度を検討し、任命状や請願書なども収めます。農業のために入る人びとと政治的な理由で移る人びとを区別する内容は、受入れ側が移民に何を期待したかを考える材料になります。著者は実際に国外へ移った人の暮らしにも注目し、到着時より資金が増えた者をほとんど見なかったと述べます。移住先の可能性を探りながら、簡素な生活や経済的な困難を記し、単純な移住礼賛には終わっていません。
本書の判断を理解するには、著者の政治的立場を外せません。序文には南部連合への共感と、黒人の政治参加に反対する白人優越の思想が明確に示されています。これらは著者が移住を考える動機と住民を評価する基準であり、現在の事実判断や価値観として受け入れるものではありません。土地、制度、価格や移動の観察と、こうした人種的・政治的な評価を区別して読むことが重要です。南北戦争後の移住構想が中央アメリカの開発政策と接する場所を、旅の細部から知る資料です。同胞のための調査を自認する結びは、読者に実用的な判断材料を渡そうとした本書の目的をよく示しています。
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- 原刊
- ニューオーリンズ、1868年
- 翻訳版
- 110頁
- 図版・挿図
- 2点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Charles Swett『A Trip to British Honduras, and to San Pedro, Republic of Honduras』(New Orleans: Price Current Print, 1868年初版)。
- 権利・利用条件
- 原刊本文はパブリックドメインです。Internet Archiveの当該項目は「Library of Congress is unaware of any copyright restrictions」と表示しています。公開画像には当該項目と提供館の条件が適用されます。
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