モスキート海岸概説――ポヤイス領を含むの表紙

書籍

SKETCH OF THE MOSQUITO SHORE · 1822

原題Sketch of the Mosquito Shore, Including the Territory of Poyais

モスキート海岸概説――ポヤイス領を含む

1822年初版・日本語全訳

Thomas Strangewaysトマス・ストレンジウェイズ

1822年に刊行されたモスキート海岸とポヤイス領の地誌・入植案内の全訳です。自然環境、住民、農業、交易、港湾、行政および入植の実務を扱い、原刊の前付、本文末尾355頁、脚注、表、口絵、折込地図、ブラック・リヴァー港景を収録しました。原刊位置標識374件を保持し、Fancourt固定母版で組版した239頁版です。

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1822年刊のモスキート海岸とポヤイス領を扱う地誌・入植案内です。領域の名称と境界から始まり、海岸、岬、湾、港、河川、湖、島、山地を記し、気候と季節、土壌、鉱物、植物、動物、農業、住民の習俗、商業へと進みます。地域の紹介を、そこへ移り住み土地を利用する読者の実務的な関心に結びつけている点が特徴です。

地理の記述では、沿岸の地名と別名が数多く列挙され、航海と河川交通の入口となる港や水路が重視されます。ルアタンの港については、船の出入り、岩礁、海風、防衛上の条件を説明し、立地の利点を評価します。広い海岸を地図上の輪郭としてだけでなく、船が接近し、荷を運び、人が定住する空間として整理しようとする構成です。

自然誌の部分は、樹木と灌木、果実、四足獣、鳥、魚、爬虫類、昆虫へと細かく分かれます。植物は形態だけでなく果汁、香味、薬用、酒への利用などから説明され、魚も食感や調理法を伴って紹介されます。こうした記述は動植物を観察する好奇心と、入植者の食生活や商品生産に使える資源を探す視点の両方を示しています。地域名や俗称による分類にも当時の知識のあり方が表れます。

農業については播種、苗や茎の間隔、土質に応じた管理などを述べ、土地の生産力を活用するための方法へ話を進めます。商業や住民の習俗、行政、入植の実務も自然環境と同じ枠で扱われます。そのため、土地が豊かであるという説明だけでなく、誰が働き、何を生産し、どの港から運ぶのかという社会的な条件を読み合わせる必要があります。地域の住民を評する言葉は、外から来る入植者側の見方を含んでいます。

本書の港湾や気候への称賛、将来の農業・交易への期待は、著者が提示する誘致と開発の構想として読むべきものです。現地の状況を独立した根拠なしに保証する案内ではありません。とくにポヤイスを統治と入植の対象として描く言説に注目すると、自然誌や地理の知識が投資と移住への期待を作るために使われる仕組みが見えてきます。中央アメリカのカリブ海岸を、19世紀初頭の英国語圏の読者へどう魅力ある土地として表現したかを知る資料です。

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原刊
エディンバラ、William Blackwood/ロンドン、T. Caddell、1822年
翻訳版
239頁
図版・挿図
3点
原刊言語
英語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Thomas Strangeways, Sketch of the Mosquito Shore, Including the Territory of Poyais: Descriptive of the Country; with Some Information as to Its Productions, the Best Mode of Culture, &c. Chiefly Intended for the Use of Settlers, Edinburgh: William Blackwood; London: T. Caddell, 1822, viii + 355 pp.
権利・利用条件
1822年刊の原著はパブリックドメインである。Library of Congress所蔵本の公開画像およびWikimedia Commons上の同書ブラック・リヴァー港景はいずれも公開ページ上でパブリックドメインと表示されている。
公開日
更新日

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