書籍
ORLANDO W. ROBERTS · 1827
原題Narrative of Voyages and Excursions on the East Coast and in the Interior of Central America
中央アメリカ東岸および内陸部航海旅行記
サン・フアン川・ニカラグア湖・レオンへの旅
中央アメリカ東岸を航海し、サン・フアン川を遡ってニカラグア湖を横断し、レオンへ至った交易者オーランド・W・ロバーツの旅行記の全訳です。前付、エドワード・アーヴィングの序文、本文全14章、折込地図、付録注IからVIII、奥付を収録し、モスキート海岸、パナマ、コスタリカ、ニカラグア、ホンジュラスの地域・交易・先住民社会を記録します。
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ロバーツの『中央アメリカ東岸および内陸部航海旅行記』は、交易者として各地を訪れた経験から、カリブ海岸の港、河川、先住民社会、産物を記録した旅行記です。パナマ方面とモスキート海岸での航海に加え、サン・フアン川を遡り、ニカラグア湖を横断してレオンへ進む内陸旅行を収めます。都市を巡る観光的な行程とは異なり、船がどこへ入り、商品をどこで交換できるかという実務的な関心が一貫しています。
サン・ブラス、チリキ潟、バリエンテの人々などを扱う章では、衣服、食物、狩猟、漁撈、治療や宗教的な役割を持つ人物、集団内の慣習を観察します。森林の木材、サルサパリラ、海亀とべっ甲などは自然の珍しさとしてだけでなく、交易の対象として説明されます。海亀の産卵と捕食者の記述に見られるように、商業活動のための知識と自然誌的な関心が重なっています。
港や岬の評価では、安全に停泊できる水深と風向、飲み水、獲物、耕作や放牧の可能性を区別します。農業入植には不利でも交易拠点には適するという判断は、土地の価値が用途によって変わることを示します。他の交易者との競争や、利益を守るため情報が隠される様子も述べられ、著者の知識がどのような人間関係の中で得られたかが分かります。
サン・フアン川から内陸へ向かう部分では、浅瀬、航行、船頭との契約、グラナダやレオンへ至る交通が中心となります。ニカラグアの湖と太平洋の近さ、二つの湖を結ぶ水路の可能性を論じ、運河や閘門による連絡を構想します。ただし障害が小さいという評価や工事の見通しは、当時の観察と伝聞に基づく著者の判断であり、詳細な設計や実現性の確定を意味しません。
旅行の背景には、独立後の政治変化と、ヨーロッパや西インド諸島との通商を広げたいという期待があります。スペイン統治や教会、先住民を評価する表現には英国人交易者の立場が強く現れ、実見した場面と一般化された人物像は区別する必要があります。地図と付録を伴う全十四章は、海岸と内陸を交通の連続として捉え、十九世紀前半の中央アメリカが商業の目からどう見えていたかを具体的に伝えます。
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- 原刊
- エディンバラ、コンスタブル社刊。ロンドン、ハースト・チャンス社取次、1827年
- 翻訳版
- 202頁
- 図版・挿図
- 3点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Orlando W. Roberts, Narrative of Voyages and Excursions on the East Coast and in the Interior of Central America, Edinburgh: Constable & Co.; London: Hurst, Chance, & Co., 1827。主底本はGetty Research Institute所蔵初版本。
- 権利・利用条件
- 1827年刊の原著はパブリックドメインです。主底本のInternet Archive公開メタデータは権利状態をNOT_IN_COPYRIGHTと表示しています。
- 公開日
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