グアテマラ共和国民族誌論の表紙

書籍

ZUR ETHNOGRAPHIE DER REPUBLIK GUATEMALA · 1884

原題Zur Ethnographie der Republik Guatemala

グアテマラ共和国民族誌論

1884年初版・本文全175頁、比較語彙表、付図 日本語全訳

Otto Stollオットー・シュトル

スイスの医師・民族学者オットー・シュトルが、グアテマラ滞在中の調査をもとに、同国の先住民諸集団、分布、人口、生活、歴史、およびマヤ諸語を比較した1884年刊の民族誌・比較言語学研究。本文全175頁、比較語彙表、マヤ諸語模式系統樹と民族誌地図、原刊標題紙を収録しています。

詳細概要 詳細概要を閉じる

スイスの医師・民族学者オットー・シュトルが、グアテマラ滞在中の調査を基に、先住民諸集団の分布、生活、歴史と言語を比較した一八八四年刊の研究です。民族誌と比較言語学を結びつけ、現地で集めた語彙を既存の文法書や征服期の記録と照合します。集団の名前と居住地を列挙するだけでなく、言語の類似や差から、その関係と過去の移動を考えようとするところに、本書の基本的な問題意識があります。

ピピル、カリブ、マヤ諸民族などを取り上げ、歴史資料の説明を検討しながら地理的分布を描きます。グアテマラ南岸でメキシコ語に近い言語が話されていたことについて、征服期の著者の記述を批判的に読み、北方からの移住説を言語からも確かめようとします。遺跡とことばを結びつけてピピルをトルテカの残存者とみなす推論なども現れますが、これらはシュトルの時代の仮説であり、観察された語彙や地理的事実と区別する必要があります。

マヤ諸語の部分は比較語彙表を大きな柱とし、ワステカ、ツェンタル語群、ポコンチ語群、キチェ語群、マム語群などを整理します。ケクチ、ポコンチ、ポコマム、チョルティ、キチェ、カクチケル、ツトゥヒル、イシル、マム、アグアカテカなどが検討され、シンカとアラグイラクには所属の問題が残されます。系統樹と民族誌地図は、言語間の関係と話される場所を別の形で示し、本文の比較を補います。今日の分類と表記とは異なる体系を、その時代の資料として読むことができます。

方法上の興味深い点は、古いカクチケル語文法から語や短文を抜き出し、原語と訳を並べて検討する作業を説明していることです。ラテン語の活用体系へ先住民語を当てはめようとした旧文法家への批判もあり、記録を利用しつつ記述枠そのものを問い直します。一方、伝説の「生きた古代都市」に関する報告などには疑いを示し、伝聞と確認された知識を分けようとします。本書は現地調査の成果と、先行文献を再検討する過程の双方を伝えます。言語、人口、土地、歴史を一緒に把握しようとした十九世紀のグアテマラ民族誌として、その豊かな資料と分類上の限界を併せて考えられる著作です。

民族誌言語学研究比較語彙一次史料グアテマラ中央アメリカマヤ地域ドイツ語マヤ諸語先住民比較言語学言語分布原刊図版19世紀

EPUBは本文リフロー型です。読書アプリの画面幅・文字サイズ・縦横表示に合わせて組み替わります。

原刊
チューリヒ、Orell Füssli & Co.、1884年
翻訳版
197頁
図版・挿図
28点
原刊言語
ドイツ語・マヤ諸語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Otto Stoll『Zur Ethnographie der Republik Guatemala』(Zürich: Druck von Orell Füssli & Co.、1884年初版)。
権利・利用条件
1884年原刊は著作権保護期間を満了しています。Internet Archiveの資料ページは当該デジタル資料をPublic Domain Mark 1.0で表示しています。デジタル画像には公開元・所蔵館の利用条件が適用される場合があります。
公開日
更新日

DOCUMENT READER

日本語翻訳版 PDF

PDFは自動では読み込みません。閲覧するときだけ下のボタンを押してください。