書籍
NOTES ON CENTRAL AMERICA · 1855
原題Notes on Central America; Particularly the States of Honduras and San Salvador
中央アメリカ覚書
1855年初版・全16章、雑録A–E、文献目録、索引 日本語全訳
ホンジュラスとサンサルバドルを中心に、中部アメリカの地理・地形・気候・人口・資源・産業・先住民社会・古代遺跡をまとめ、計画中のホンジュラス大洋間鉄道を詳述した1855年刊行書。前付、全16章、雑録A–E、文献目録、索引、原注、全44表を省略なく訳し、本文図版、折込図、地図を収録しています。
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『中央アメリカ覚書』は、スクワイアがホンジュラスとサンサルバドルを中心に、地形、気候、人口、資源、産業、政治制度を体系的にまとめた一八五五年の著作です。旅行と調査で得た知見に、統計、他の報告、歴史記録を組み合わせ、中央アメリカの現状と将来性を描きます。特にホンジュラスを横断する大洋間鉄道の計画を重視し、自然と社会の記述を交通・商業の展望へ結びつけている点が特徴です。
地理的な序説と気候の検討では、地域全体を一様な熱帯として扱わず、標高や海風、降雨、場所ごとの気温を比較します。人口についても各国の報告や推計を表にまとめ、婚姻、出生、死亡などの数値に目を向けます。統計の不足や不完全な集計が含まれるため、数値は当時得られた情報の範囲を示すものでもあります。自然条件と居住の可能性を結びつける著者の関心が、資料の選択に反映されています。
ホンジュラスの各県、湾、港、河川、山地に関する章は、内陸と海岸を結ぶ経路を詳しく説明します。フォンセカ湾は、既存の地域交易の拠点であると同時に、将来の鉄道の太平洋側終点として高く評価されます。鉱山、貴重材、植物産物、動物などの記述も、利用可能な資源を明らかにする目的を持ち、土地の景観と経済的な価値が一つの説明へまとめられています。
鉱業の章では、採掘、排水、粉砕、アマルガム処理の方法が具体的に描かれ、著者は設備と技術の改善による発展を期待します。政治制度、裁判、宗教、教育、歳入、通貨の説明は、経済活動を支える社会的条件を示します。一方、先住民の分布や言語、古代遺跡に関する記載は、この土地を新しい投資先として見る視点だけでは捉えられない、長い歴史への関心を加えています。
サンサルバドルの地勢と産物も独立した章で扱い、雑録や文献目録によって本文の議論を補います。鉄道と資源開発への楽観、住民や生産方法への評価には、合衆国の外交官・調査者としての立場が強く表れています。記述された観察と、将来そうなるはずだという予測を区別することで、本書は十九世紀半ばの地域情報集成であると同時に、中央アメリカを国際交通へ組み込もうとする構想の資料として読めます。
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- 原刊
- ニューヨーク、1855年
- 翻訳版
- 338頁
- 図版・挿図
- 18点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- E. G. Squier『Notes on Central America; Particularly the States of Honduras and San Salvador』(New York、1855年初版)。
- 権利・利用条件
- E・G・スクワイアは1888年に没しており、1855年初版および1854年補完地図は著作権保護期間を満了したパブリックドメイン資料です。デジタル画像には公開元および所蔵館の利用条件が適用される場合があります。
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