論文
HARPER’S NEW MONTHLY MAGAZINE · 1869
原題The Great South-American Earthquakes of 1868
一八六八年南アメリカ大地震
『Harper’s New Monthly Magazine』1869年4月号 日本語全訳
後世の暫定帰属:Ephraim George Squier
1868年にペルー、エクアドルなど南アメリカ太平洋岸を襲った大地震と津波について、各地の被害、地形変化、観測報告を図版とともにまとめた1869年刊の災害史資料です。
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E・G・スクワイアが、1868年八月にペルーとエクアドルを襲った大地震と津波を取り上げた災害記録です。各地の報告や目撃証言を集め、都市の破壊、港湾の被害、人命の損失、余震の経過を、太平洋岸とアンデスの地理に沿って説明します。一つの町の体験に限定せず、遠く離れた沿岸や島々へ及んだ海の変動まで視野に入れているところに、この論考の広がりがあります。
冒頭では、海岸山地と内陸の山脈、その間の盆地という地形的な配置を述べ、過去の大地震とも比較します。地震を予告するとされた気象の変化や動物の行動には慎重で、経験者の主張と自身の経験を分けています。災害に先立つ疫病や宗教行列も登場しますが、それらをそのまま予知の証拠にはしません。自然現象の説明と、人々が不安を理解しようとした仕方が並行して記されます。
アリカの叙述では、激しい揺れに続く海面の後退と押し寄せる波が、街と船舶を繰り返し襲う様子が中心です。税関や領事館、鉄道車両が流され、軍艦が内陸へ打ち上げられたという報告を取り上げます。ワトリー号の座礁位置や船体の状態は、波の威力を具体化する材料になります。イキケ、イロ、ピサグアなど周辺の港の被害も合わせ、沿岸の商業施設と交通設備が失われた範囲を示しています。
エクアドルについては、山間の都市や農業地帯に被害が集中し、ペルー沿岸とは異なる形で多数の犠牲者が出たと述べます。キトで感じられた揺れの時刻、地割れで損なわれた農園、イバラの状況などを記し、死亡者数について相反する報告があることも示します。遠隔地の被害を伝える初報と、その後の調査の数字を区別しようとする姿勢が見られます。各地の到達時刻から波の速度を見積もる試みもありますが、精度の異なる観測と伝聞に基づく当時の推算です。
結末では、各国政府、民間の寄付者、外国軍艦による食料、医薬品、輸送などの救援を紹介します。被害を免れた地域が被災地を助ける動きに著者は強い意義を認めています。劇的な目撃描写、地理的考察、数字の集計、救援の評価が重なり、十九世紀の読者へ遠隔地の大災害をどのように伝えたかを知ることができます。
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- 原刊
- ニューヨーク、『Harper’s New Monthly Magazine』第38巻第227号、1869年4月、603–623頁
- 翻訳版
- 36頁
- 図版・挿図
- 13点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Anonymous [attributed to E. G. Squier], “The Great South-American Earthquakes of 1868,” Harper’s New Monthly Magazine, vol. 38, no. 227, April 1869, pp. 603–623.
- 著者帰属
- 原刊は無署名です。後世のスクワイア著作目録では本稿をEphraim George Squierに帰属させますが、本サイトでは暫定帰属として扱い、主著者表示には採用しません。
- 権利・利用条件
- 1869年刊の原著本文と原刊図版はパブリックドメインです。Internet Archiveの当該項目には個別の再利用ライセンス表示がありません。
- 公開日
- 更新日
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