論文
HARPER’S NEW MONTHLY MAGAZINE · 1853
原題Ancient Peru—Its People and Its Monuments
古代ペルー——その人々と遺構
『Harper’s New Monthly Magazine』1853年6月号 日本語全訳
後世の暫定帰属:Ephraim George Squier
古代ペルーの社会、宗教、工芸、埋葬習俗と、クスコ、チムー、ティアワナコなどの遺構を既刊資料と図版から総合した1853年刊の考古学・民族誌論文です。
詳細概要 詳細概要を閉じる
古代ペルーの人々、制度、宗教、工芸と遺構を、既刊の旅行記や歴史書、図版から総合した一八五三年の論文です。インカの王権と社会の仕組みを説明した後、建築、道路と砦、金属や石の加工、祭礼、埋葬、クスコ、チムー、ティワナクなどの遺跡へと視野を広げます。インカ以前の文化も考慮し、目に見える遺構がどのような社会と信仰に由来するかを推定しようとしています。
政治と社会の説明では、インカと正妻、継承、共同体の移住、居所の変更に対する制限を扱います。労働と暦の関係も紹介し、国家が人々の生活を組織する仕組みに注目します。文明を授けた祖先の伝承については、支配者や司祭が権威を確保するための説明と解釈します。この見方は、信仰の語りを政治的な機能から読もうとする著者の姿勢を示しています。
住居は簡素でも公共建築は大きく堅固であるという対比から、国家の資源がどこへ集中したかを論じます。王宮、地形を生かす砦、硬い石の加工、斜面と運搬路などが取り上げられます。木を切る道具と石を加工する技術の違いへの疑問、金銀や銅の器物に関する記述は、工芸の発達を素材ごとに比較するものです。建物と道具を社会の技術水準の証拠として扱っています。
宗教では太陽崇拝の司祭、神殿、祭礼を述べる一方、コンやパチャカマクなど、インカの信仰に先行する神々にも目を向けます。古い信仰と王朝の宗教の関係を、抵抗や統合の過程として説明します。埋葬では身分によって異なる容器や石造の墓を挙げ、死者の扱いも社会秩序を示すものと捉えます。こうした叙述には、引用した史料と著者の推論が重なっています。
チムーの都市、ワカと呼ばれる人工の丘、ティワナクの巨石建築などを比較し、インカ以前にも大きな文明があったと考えます。ただし、その文明に「より純粋な」宗教を結びつける評価や起源の説明は、十九世紀の思想に属します。
EPUBは本文リフロー型です。読書アプリの画面幅・文字サイズ・縦横表示に合わせて組み替わります。
- 原刊
- ニューヨーク、『Harper’s New Monthly Magazine』第7巻第37号、1853年6月、7–38頁
- 翻訳版
- 61頁
- 図版・挿図
- 30点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Anonymous [attributed to E. G. Squier], “Ancient Peru—Its People and Its Monuments,” Harper’s New Monthly Magazine, vol. 7, no. 37, June 1853, pp. 7–38.
- 著者帰属
- 原刊は無署名です。後世のスクワイア著作目録では本稿をEphraim George Squierに帰属させますが、本サイトでは暫定帰属として扱い、主著者表示には採用しません。
- 権利・利用条件
- 1853年刊の原著本文と原刊図版はパブリックドメインです。Internet Archiveの当該項目には個別の再利用ライセンス表示がありません。
- 公開日
- 更新日
- 訂正窓口
- 誤訳・誤植を連絡する ↗
DOCUMENT READER
日本語翻訳版 PDF
PDFは自動では読み込みません。閲覧するときだけ下のボタンを押してください。