論文
RAPPORT SUR LE CONCOURS · 1836
原題Rapport sur le concours relatif à la géographie et aux antiquités de l’Amérique centrale
中央アメリカの地理および古物に関する懸賞についての報告
1836年4月・原刊253–291頁・本文・脚注・結論五項 日本語全訳
フランス地理学会が1825年に設定した中央アメリカの地理・古物懸賞について、既往の探検・刊行物と応募資料を検討した1836年の委員会報告。フンボルト、デル・リオ、ウォルデック、デュペ、ガリンドらの調査、地図・図面を比較し、懸賞の判断と今後の調査方針を結論五項にまとめています。フアン・ガリンド本人の著作ではなく、委員会による独立した同時代資料です。
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フランス地理学会が1825年に設けた中央アメリカの地理・古物に関する懸賞について、1836年に委員会が提出した報告です。応募資料を判定するため、既往の探検、刊行物、地図、建築図面を比較し、それまでに何が分かり、何がなお不足しているかを整理します。ガリンド自身の旅行記ではなく、複数の旅行者の成果を評価する学会側の文書であることが、その内容を理解するうえで重要です。
報告は古建築への関心の高まりを認めながら、その起源や年代が謎であることに乗じた捏造や根拠の薄い説明にも警戒します。中央アメリカの遺跡を他地域の古代文明と関連づける熱意だけでは、確かな知識は増えないという問題意識です。同時に、当時の言語と文字に関する知識の限界も表れ、先住民の文字資料への否定的な判断には、現在とは異なる研究状況が反映されています。
懸賞の目的は古物研究だけではありません。河川の流路、標高、土地の資源、自然の産物を明らかにし、地図や地形図を作ることが強調されます。歴史書に地図が欠けていることや、旅行者が記念物に注意を集中しすぎることを指摘し、現地で新たに得た観察を求めます。古代の建築を理解するにも、その場所と周囲の地理を確かめる必要があるという、二つの課題の結びつきが示されています。
フンボルト、デル・リオ、ウォルデック、デュペ、ガリンドらの仕事を比較する部分では、観察の質、図面の価値、調査の広がりが問題になります。画家と建築家の能力の違いを論じる箇所は、魅力ある図が必ずしも測量として十分ではないという認識を示します。コパンの位置や建築の寸法についても、数値を挙げるだけでなく、それがどの観測に基づくかを問い、旅程などの別の情報との整合を検討しています。
最後は懸賞の判断と今後の調査について結論をまとめます。資料を受け取るヨーロッパの学会が、遠隔地の観察をどのように信頼できる知識へ変えようとしたかが、本報告の中心です。一方、資源の把握をヨーロッパへの有益さで測る視線も明瞭です。初期マヤ研究の成果一覧としてだけでなく、地理、考古学、図像、測量の価値を判定する基準が形成されつつあった時期の学術的な議論として読める資料です。
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- 原刊
- パリ、『フランス地理学会紀要』第2シリーズ第5巻、1836年4月、253–291頁
- 翻訳版
- 31頁
- 図版・挿図
- 0点
- 原刊言語
- フランス語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Baron Walckenaer、de La Renaudière、Jomard(報告者)「Rapport sur le concours relatif à la géographie et aux antiquités de l’Amérique centrale」『Bulletin de la Société de géographie』第2シリーズ第5巻(Paris: Arthus-Bertrand、1836年4月)253–291頁。
- 公開元
- フランス国立図書館(BnF)およびInternet Archiveで公開されている原刊画像を底本とした。報告標題、本文、脚注、結論五項、委員署名を収録し、原刊253–291頁の頁境を保持した。 ↗
- 権利・利用条件
- 1836年原刊本文は米国・日本ともに著作権保護期間を満了しています。デジタル画像には公開元および所蔵館の利用条件が適用される場合があります。
- 公開日
- 更新日
- 訂正窓口
- 誤訳・誤植を連絡する ↗
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