論文
PROCEEDINGS OF THE AMERICAN PHILOSOPHICAL SOCIETY · 1893
原題The Native Calendar of Central America and Mexico
中央アメリカおよびメキシコの先住民暦
ナワ・マヤ・チアパネカ諸暦の比較研究・1893年刊 日本語全訳
ダニエル・G・ブリントンが、中央アメリカとメキシコの先住民暦を比較し、ナワ、マヤ、チアパネカおよびグアテマラ諸集団の月名・日名・年周期と暦法上の対応を論じた1893年刊の研究です。
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ダニエル・G・ブリントンが、中央アメリカとメキシコの先住暦を、日名・月名とその意味から比較した研究です。マヤ諸語の資料を広く集め、サポテカ語やナワトル語の名称も参照しながら、暦の構成と神話的観念の関係を探ります。暦をアジアからの借用とみなす説明には反対し、先住民の言語と思想の中からその形成を理解しようとする立場が、議論の出発点になっています。
基本となるのは、二十の日名と十三の数の組み合わせです。著者は二つの系列が繰り返される仕組みや、年を担う特定の日、五日間の扱いなどを整理します。七という数が生じる理由を暦の計算から考える一方、四方位に天頂、天底、自己を加えるズニの観念も参照します。算術的な規則だけでなく、空間の秩序や祭祀の発想が暦へどのように入り込むかを問題にしています。
日名の検討では、似た音の語を並べるだけでなく、その語が動物、自然現象、身体、権威、生活上の行為などの何を指すかを比較します。たとえばカンには、黄色、蛇、縄、豊かさなど複数の意味が関係し、どの意味を暦名の解釈に用いるべきかが論点になります。雨や雷に関わる名についても、キチェの神名や他言語の水を意味する語を取り上げ、言語間の対応を神話の内容と照合します。
月名の比較からは、日名に認められる共通性と、十八の月の名称に見られる相違が浮かび上がります。著者はこの差を、暦の諸要素が同じ仕方で伝わったとは限らないことを考える手がかりにします。絵文書や皮・紙に記された暦のしるし、籤を用いる占い、月やウサギをめぐる伝承なども扱われます。時間の区切りは、日常の計算と吉凶判断の双方に関わるものとして説明されています。
日名と月名の広い比較を通じて、先住暦の独自性を論じます。ただし、語源から神々や方位の観念へ結びつける説明には、著者の比較神話学的な仮説が含まれています。
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- 原刊
- フィラデルフィア、『Proceedings of the American Philosophical Society』第31巻第142号、1893年、258–314頁
- 翻訳版
- 52頁
- 図版・挿図
- 0点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Daniel G. Brinton, “The Native Calendar of Central America and Mexico,” Proceedings of the American Philosophical Society, vol. 31, no. 142, 1893, pp. 258–314; separate issue, Philadelphia: MacCalla & Company, 1893.
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