書籍
ESSAYS OF AN AMERICANIST · 1890
原題Essays of an Americanist
アメリカ研究者論集
民族学・考古学、神話・民間伝承、図像表記体系・文学、言語学・1890年刊 日本語全訳
ダニエル・G・ブリントンがアメリカ大陸の民族学・考古学、神話と民間伝承、図像表記体系と文学、先住民諸語を論じた1890年刊の論集です。トルテカ、キチェ神話、ユカタンの民間伝承とナグアリズム、マヤ文字、チラン・バラム、アメリカ先住民の詩、オトミ語などを扱い、分析的目次と二種の索引を収録しています。
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ダニエル・G・ブリントンが、アメリカ大陸の先住民をめぐって発表した論考を、民族学・考古学、神話・民間伝承、図像表記体系・文学、言語学の四部にまとめた論集です。序文では「論考」を試みという意味で用い、古代の住民について論争のある問題に自らの見解を示すことを目的に掲げます。先史年代、旧石器、塚の築造者、トルテカ帝国の実在性などを取り上げ、遺物や歴史記述から何を判断できるかを検討しています。各篇は独立した論争を扱いますが、言葉と伝承を重視する著者の関心が相互を結びます。分析的な目次と索引によって、地域を越えて現れる主題や、引用された人物・典拠の関係もたどれる構成です。
神話の部ではキチェの神名、アルゴンキン諸族の英雄神、聖なる象徴、ユカタンやレナペの伝承を扱います。神名の語義や変化をたどる言語研究を重視し、似た物語をただ並べる説明へ批判を向けます。ユカタンの祈願や魔女の物語も、古代の宗教と後世の信仰が接する資料として取り上げられます。征服後に意味を変えた宗教語を検討する箇所では、キリスト教化が伝承の理解を複雑にする様子も見えてきます。
文字と文学の部は、マヤとメキシコの図像に音を表す要素を求め、物の絵や配置から名を読む仕組みを論じます。スペイン人の記述、先住民側の記録、現存する絵文書を区別して古代マヤの記録文化を整理し、『チラン・バラムの書』にも独立した考察を加えます。詩の紹介には恋歌、戦歌、記念歌、予言の詠唱などが含まれ、先住民の言葉を歴史情報の容器としてだけでなく、感情や韻律を備えた表現として示しています。
言語学の部では、フンボルトの研究、語の組み立て方、抱合や屈折、トゥピ=グアラニー諸方言、愛情を表す語彙、線尺度の名称を比較します。聞き取りの誤りが過度に複雑な文法像を生むという指摘や、テンサ語の文法・辞典をめぐる捏造事件の検討は、資料そのものを吟味する姿勢を表します。一方、諸言語の共通性や文化の段階に関する説明には十九世紀の学説と価値判断が含まれます。各論の結論を当時の論争へ位置づけながら、考古学と言語研究を結びつけた著者の方法を読む一冊です。
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- 原刊
- フィラデルフィア、Porter & Coates、1890年
- 翻訳版
- 415頁
- 原刊標題紙・本文図版36点
- 37点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Daniel G. Brinton, Essays of an Americanist: I. Ethnologic and Archaeologic; II. Mythology and Folk Lore; III. Graphic Systems and Literature; IV. Linguistic, Philadelphia: Porter & Coates, 1890.
- 権利・利用条件
- 1890年刊の原著本文・原刊図版は米国においてパブリックドメインです。Mugar Memorial Library, Boston University所蔵本はInternet Archiveから公開され、同項目は「Possible copyright status: NOT_IN_COPYRIGHT」と表示しています。この表示はスキャン画像にCreative Commonsその他のオープンライセンスを付与するものではなく、画像の再利用にはInternet Archiveその他の公開元の利用条件および適用法が適用されます。米国外の権利状態については判断しません。
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