書籍
PARAYSO OCCIDENTAL · 1684
原題Parayso occidental
西方の楽園
メキシコ王立ヘスス・マリア修道院の創設と発展・1684年メキシコ刊 日本語全訳
メキシコ王立ヘスス・マリア女子修道院の創設と発展をたどり、尊者マリナ・デ・ラ・クルス、イネス・デ・ラ・クルスをはじめとする修道女たちの生涯、徳行、幻視、奇蹟を記した1684年刊の修道院史・伝記集です。
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カルロス・デ・シグエンサ・イ・ゴンゴラが、メキシコ王立ヘスス・マリア女子修道院の歴史と、その共同体を彩った女性たちの生涯を記した著作です。創設、移転、王室の保護、聖堂の建設を扱う制度史に、マリナ・デ・ラ・クルスやイネス・デ・ラ・クルスらの伝記が続きます。修道院を「西方の楽園」として称える構想のもと、都市の施設の歴史と、そこで実現されたと考えられた聖なる生活を結びつけています。
創設史は、古代メシカの女性の宗教生活を引き合いに出すところから始まります。修道院設立の理由と手続、より適切な場所への移転、フェリペ二世による保護と禄、聖遺物の寄贈などが詳述されます。副王や大司教、寄進者の関与も重要で、建物と共同体が王権、教会、都市社会の支援によって形づくられたことを伝えています。
聖堂建設を遅らせた事情、奉献の祝典、祭壇や礼拝堂、記念寄進と付司祭禄などの記述は、宗教施設を維持する物質的な基盤を示します。別の女子修道院の創設にヘスス・マリアの修道女たちが働いた経緯もあり、共同体が閉じた空間にとどまらず、都市の修道生活を広げる担い手であったと描かれます。財務管理人の破産による損失など、経済的な困難も語られます。
伝記の中心は、誕生、婚姻や渡航、入院、修練、祈り、慈愛、病苦、死に至る過程です。マリナの生涯には聴罪司祭の記録が用いられ、謙遜、思慮、神への愛が模範として示されます。イネスらの語りも含め、女性たちの経験が紹介されますが、それらは徳を立証し、読者を教化するために選び取られた物語です。幻視や死後の出現もその一部をなしています。
本書には誓願修道女以外の女性や先住民の女性も登場し、修道院に関わる人々の範囲を知る手がかりがあります。一方、奇蹟や悪魔の誘惑の描写は著者と証言者の信仰世界に属します。これらを超自然的事実の証明とせず、聖性を認める言葉として読むことで、植民地メキシコの女性の宗教生活、支援者のネットワーク、身体と苦痛の意味、共同体が自らの歴史を顕彰した方法を併せて考えられます。
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- 原刊
- メキシコ、フアン・デ・リベラ、1684年
- 翻訳版
- 350頁
- 図版・挿図
- 1点
- 原刊言語
- スペイン語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Carlos de Sigüenza y Góngora, Parayso occidental, plantado, y cultivado por la liberal benefica mano de los muy catholicos, y poderosos Reyes de España Nuestros Señores en su magnifico Real Convento de Jesus Maria de Mexico, México: Juan de Ribera, 1684.
- 権利・利用条件
- 1684年刊の原著本文と標題紙はパブリックドメインです。Google Booksの提供ファイルには同サービスのパブリックドメイン資料に関する利用条件が適用され、本版ではGoogle Booksとバイエルン州立図書館を表示しています。Biblioteca Virtual Miguel de Cervantesの画像は転載していません。
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