1554年のメキシコの表紙

書籍

MÉXICO EN 1554 · 1875

原題México en 1554

1554年のメキシコ

1875年版・ラテン語原文・イカスバルセタ西訳の日本語訳

Francisco Cervantes de Salazar / Joaquín García Icazbalceta (ed. and trans.)フランシスコ・セルバンテス・デ・サラサール(編訳:ホアキン・ガルシア・イカスバルセタ)

フランシスコ・セルバンテス・デ・サラサールが1554年のメキシコ市を描いたラテン語対話三篇を、ホアキン・ガルシア・イカスバルセタが伝記、歴史・書誌注、スペイン語訳、文献目録とともに刊行した1875年版。ラテン語原文を保持し、イカスバルセタのスペイン語本文を日本語へ訳して、前付、三対話、原注、文献目録を原刊順に収録しています。

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フランシスコ・セルバンテス・デ・サラサールが一五五四年のメキシコを描いた三篇のラテン語対話に、ガルシア・イカスバルセタが伝記と歴史・書誌の注を付した書物です。大学、市内、市外という三つの場を会話によって案内し、植民地初期の都市の学問、建築、生活を紹介します。十九世紀の編者による調査が、十六世紀の対話に登場する人物や場所を特定し、後の変化と照合する役割を果たしています。

大学を扱う対話では、教授、学問、教育への期待が語られます。セルバンテス自身も、メキシコの若者を博識で雄弁に育て、土地の事柄を記す著述家の不足を補う人物として言及されます。ラテン語の対話という形式は、都市の紹介であると同時に人文主義的な学習のための文章でもあり、メキシコをヨーロッパの知的な世界へ位置づける意図が読み取れます。

市内の対話は、立派な住宅、屋上や回廊、教会、公共の場所をめぐり、建物の外観と住む人々への関心を重ねます。問いかけと説明が交互に進むため、未知の都市を見る者と案内する者の視点を通して、街路と施設が一つのまとまりとして示されます。市外へ向かう対話では、土地の産物や食物、景観、会食などが加わり、都市を支える周囲の環境へ視野が広がります。

イカスバルセタの注は、大学の教授の経歴、最初のサン・フランシスコ教会やサン・ホセ礼拝堂の位置、湖水と市有地の関係などを検討します。先行する年代記の記述を引用し、ときには誤りを指摘します。小麦が持ち込まれた経緯のような逸話も資料として取り上げられ、対話中の何気ない言葉から、建築史、教育史、農業史の問題へ考察を広げています。

著者の伝記と文献目録は、対話がどのような著作活動の一部であったかを考える手がかりです。ただし、繁栄を称える対話は都市の全住民の経験を等しく伝えるものではなく、編者の同定や説明にも後代の判断が含まれます。二つの時代の文章を読み分けることで、一五五四年のメキシコが知的な都市として表現された姿と、十九世紀の書誌研究がその過去を再発見した過程を併せて検討できます。

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原刊
メキシコ、Antigua Librería de Andrade y Morales、1875年
翻訳版
402頁
図版・挿図
3点
原刊言語
ラテン語・スペイン語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Francisco Cervantes de Salazar, México en 1554: Tres diálogos latinos que Francisco Cervantes Salazar escribió e imprimió en México en dicho año, edición, traducción castellana y notas de Joaquín García Icazbalceta (México: Antigua Librería de Andrade y Morales, 1875).
権利・利用条件
原著および1875年版の本文は著作権保護期間を満了したパブリックドメイン資料です。Internet Archiveの当該項目は、Brown University Libraryを所蔵・提供機関とし、権利状態をNOT_IN_COPYRIGHTと表示しています。Real Academia Española所蔵本は前付XIV–XV頁の照合と欠文復元にのみ用い、同館画像を転載していません。
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