書籍
DON CARLOS DE SIGÜENZA Y GÓNGORA · 1929
原題Don Carlos de Sigüenza y Góngora: A Mexican Savant of the Seventeenth Century
ドン・カルロス・デ・シグエンサ・イ・ゴンゴラ
17世紀メキシコの碩学・1929年初版 日本語全訳
17世紀ヌエバ・エスパーニャの学者カルロス・デ・シグエンサ・イ・ゴンゴラの生涯と著作をたどる研究書。詩作、天文学、地図作成、古代史研究、1692年メキシコ市暴動、探検事業を論じ、前付、全10章、参考文献、著作目録、付録A・B、索引を収録しています。原刊の無内容の白紙葉は収録していません。
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アーヴィング・レナードが、17世紀ヌエバ・エスパーニャの学者カルロス・デ・シグエンサ・イ・ゴンゴラの生涯と仕事をたどった研究書です。詩人、天文学者、地図作成者、古代史研究家、探検家という多くの役割を、同時代の政治と学問の環境の中に位置づけます。全10章の人物研究に、参考文献、刊行物・写本・書簡の著作目録、関連資料を添え、伝記と史料調査を結びつけています。
初期の経歴と文学作品を扱った後、同時代人との関係、キノ神父との論戦、王室の宇宙誌官としての活動へ進みます。暦書と『天文学の天秤』をめぐる説明では、天体の観測や計算と、占星術に対する見解が重要になります。学問的な意見は孤立して提示されるのではなく、宗教者や官僚との交流、論争、職務の中で展開されたことが示されます。
古物研究家・歴史家としての章は、過去のメキシコへの関心と資料収集を取り上げます。植民地の知識人がヨーロッパの学問を受け取るだけでなく、自らの土地の歴史を調べ、保存し、説明しようとした姿が見えます。刊行された文章と未刊の写本、失われたり稀少になった著作を区別する目録も、シグエンサの仕事の全体像と、現在参照できる証拠の範囲を理解する手がかりになります。
1692年のメキシコ市暴動は本書の大きな焦点です。豪雨、穀物不足、食物をめぐる不満、王宮と市参事会の建物の炎上を論じ、付録には本人がペス提督へ送った詳しい書簡が収められます。シグエンサは目撃者であると同時に副王側に近い知識人でもあり、民衆の行動の説明には立場が反映されます。事件の経過と、彼がそれをどのような秩序観から記したかの両方を検討できます。
後半ではペンサコーラ遠征とその余波を扱い、湾口の測量をめぐる異論や再調査の命令から、地理的な知識が軍事・行政上の判断に用いられる過程を描きます。測量の正確さは学者個人の名誉にも関わり、技術的な問題が政治的な信用の問題へつながります。多方面の活動を一人の経歴として読むことで、植民地社会における文学、科学、歴史、王室奉仕が、まだ明確に分かれていなかった知的世界を捉えられる研究書です。
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- 原刊
- バークレー、University of California Press、1929年
- 翻訳版
- 318頁
- 図版・挿図
- 1点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Irving A. Leonard, Don Carlos de Sigüenza y Góngora: A Mexican Savant of the Seventeenth Century, University of California Publications in History, Volume XVIII, Berkeley: University of California Press, issued September 1929.
- 権利・利用条件
- 米国で1929年に初出した原著は2025年1月1日から米国のパブリックドメインに属します。日本では短期保護の相互主義および戦前の日米間で翻訳が相互に自由とされた取扱いに基づき翻訳公開します。シグエンサ作メキシコ盆地図の原図および1929年掲載版も保護期間を満了しています。
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