ダリエン地峡船舶運河の表紙

書籍

DARIEN SHIP-CANAL · 1874

原題Reports of Explorations and Surveys to Ascertain the Practicability of a Ship-Canal between the Atlantic and Pacific Oceans by the Way of the Isthmus of Darien

ダリエン地峡船舶運河

ダリエン地峡経由の船舶運河調査・1874年刊 日本語全訳

Thomas O. Selfridgeトマス・オリヴァー・セルフリッジ

トマス・O・セルフリッジ率いるアメリカ合衆国海軍ダリエン遠征隊による1870–71年の探検・測量報告です。ダリエン地峡、サン・ブラス、カレドニア湾、アトラト川・トルアンド川方面の運河候補線を比較し、地形・地質・水文・気象・衛生・工費を、各隊の報告、観測表、本文図版、折込地図・縦断図とともに記録します。

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セルフリッジ率いるアメリカ合衆国海軍の『ダリエン地峡船舶運河』報告は、一八七〇年から一八七一年に実施した探検と測量を集成したものです。サン・ブラス、カレドニア湾、アトラト川・トルアンド川方面など、両洋を結ぶ複数の候補経路を比較し、船舶運河の実現可能性を検討します。指揮官の総括に各隊の報告、観測表、地図、縦断図を加え、地形だけでなく地質、水文、気象、衛生、工費を一体として扱います。

候補線の調査では、海岸から河川を遡り、分水界の高さと位置を確かめることが中心になります。河口の砂州、船が通れる水深、谷の方向、山を越える経路は、それぞれ運河の工事量と方式に関わります。大西洋側と太平洋側の作業を別々に記し、その結果を合わせる構成からは、地峡全体を見通す判断が多数の局地的な測量によって支えられていたことがわかります。

気圧による高度測定では、移動する隊と基準となる陸上観測所で、できるだけ同時に記録を取る工夫が説明されます。観測表には地点、日時、気圧、温度、補正、計算高度が並び、数値がどのように得られたかを示します。緯度の天文観測や水路測量、石炭の分析なども含まれ、探検の印象を報告するだけでなく、技術的な比較へ使える証拠を作ろうとしています。

一方、調査は森林、河川、天候、病気、労働力の確保に左右されます。海兵隊の護衛、現地人との契約、測量隊の分担と移動が記され、知識の取得が軍事組織と現地の労働に依存したことを伝えます。契約期間を終えた働き手の拒否を反抗として語る箇所などには、遠征隊の権力関係と価値判断も表れています。医学報告は、人員の健康が測量と工事の実行条件であったことを補います。

海流や各港への航路を比較する付属資料は、地峡内の建設費だけでなく、開通後の世界的な航海距離と利益を考えるためのものです。日本や中国、太平洋の港へ向かう経路も検討され、局地の調査が国際交通の構想へ広がります。本書は運河の完成記録ではなく、実現可能性を判断するために集めた証拠と計算の報告です。各候補を支持する結論と、その根拠となる観測を分けて読むことができます。

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原刊
ワシントン、Government Printing Office、1874年(第42議会第3会期・下院雑文書第113号)
翻訳版
652頁
図版・挿図
31点
原刊言語
英語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Thomas O. Selfridge, Reports of Explorations and Surveys to Ascertain the Practicability of a Ship-Canal between the Atlantic and Pacific Oceans by the Way of the Isthmus of Darien, Washington: Government Printing Office, 1874, 42d Congress, 3d Session, House Miscellaneous Document No. 113, Congressional Serial Set 1575.
権利・利用条件
1874年刊の原著本文および図版はアメリカ合衆国政府の著作物であり、17 U.S.C. § 105によりパブリックドメインです。
公開日
更新日

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