書籍
PANAMA ET DARIEN · 1881
原題Panama et Darien : Voyages d’exploration (1876–1878)
パナマとダリエン
探検旅行(1876–1878年)・1881年刊 日本語全訳
フランス海軍士官アルマン・ルクリュが、1876–78年のパナマ地峡・ダリエン地方での探検を記した旅行記です。パナマ鉄道と大洋間運河計画、サン・ブラスおよびダリエン南部の踏査、河川・山地・集落、先住民社会、動植物、気候と疾病を、挿絵と地図を交えて描きます。
詳細概要 詳細概要を閉じる
フランス海軍士官アルマン・ルクリュが、一八七六年から一八七八年にかけてのパナマ地峡とダリエン地方の探検を記した旅行記です。パナマ鉄道と大洋間運河の構想を背景に、サン・ブラス、ダリエン南部、河川、山地、集落を踏査した経験を描きます。大型船舶のための水平式運河を求める議論と、道を開き川を進む現場の記録が結びつき、国際事業の構想を地形と人びとの生活のなかへ置く著作になっています。
出発からカリブ海の諸港を経てコロンへ至り、鉄道でパナマへ渡る行程に続き、トゥイラ川、パヤ、カキリ川、アトラト川などの調査が語られます。水量、流れ、河口、峡谷、支流、山脈の向きは、航行と横断路を考える具体的な情報です。案内人の言葉を信じて目印を見失い、危険な急流に行き当たる場面もあり、探検が常に予定どおり進むものではないことが分かります。川の景観は、測量の対象であると同時に、日々の移動を左右する環境として描かれます。
先住民の村では家族、財産、宗教、服装、指導者の役割などに関心が向けられ、動植物、狩猟、闘鶏、虫害、疾病の記述も豊富です。切り開き道であるトロチャを造る作業、山脈を越える行軍、舟の漕ぎ手や雇い人との関係、仲間の死が、調査の費用と身体的な負担を具体化します。第二次遠征ではバヤノ川やマモニ川、ティアティ川などへ対象が広がり、既知の川筋を再訪しながら、新しい横断の可能性を探ります。
著者は地峡の気候に関する悪評を見直そうとしますが、本文には熱病や虫害、事故の深刻さも記されます。また「白人が初めて入った」といった発見の語りや、住民への価値判断は、外来の探検者の立場に属します。現地の案内と労働への依存を含めて読むことで、英雄的な冒険の物語だけでは見えにくい調査の条件を考えられます。本書の運河構想や自然の説明は当時の知識に基づくものです。完成後の運河から逆算するのでなく、複数の川と峠を実際に確かめながら候補地を絞ろうとした時期の記録として、旅行史、交通史、地域社会の観察を横断して読むことができます。挿絵と地図はその空間的な広がりを補います。
EPUBは本文リフロー型です。読書アプリの画面幅・文字サイズ・縦横表示に合わせて組み替わります。
- 原刊
- パリ、Librairie Hachette et Cie.、1881年
- 翻訳版
- 300頁
- 図版・挿図
- 63点
- 原刊言語
- フランス語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Armand Reclus, Panama et Darien : Voyages d’exploration (1876–1878), Paris: Librairie Hachette et Cie., 1881.
- 権利・利用条件
- 1881年刊の原著本文・原刊図版はパブリックドメインです。Internet Archiveの当該項目は possible-copyright-status: NOT_IN_COPYRIGHT と表示しています。Google由来の主底本・補完画像にはGoogle Booksの利用指針が、BnF/Gallica由来の折込地図2面にはGallicaの利用条件が適用されます。
- 公開日
- 更新日
- 訂正窓口
- 誤訳・誤植を連絡する ↗
DOCUMENT READER
日本語翻訳版 PDF
PDFは自動では読み込みません。閲覧するときだけ下のボタンを押してください。