パナマ地峡を横断する太平洋・大西洋連絡運河計画の表紙

書籍

PROJET DE CANAL · 1845

原題Projet d’un canal de jonction de l’Océan Pacifique et de l’Océan Atlantique à travers l’isthme de Panama

パナマ地峡を横断する太平洋・大西洋連絡運河計画

1843–44年パナマ地峡調査報告・1845年刊 日本語全訳

Napoléon Garellaナポレオン・ガレラ

フランスの鉱山技師ナポレオン・ガレラが1843–44年の現地調査に基づいて作成したパナマ運河計画です。パナマ地峡の地形・地質・建設材料を検討し、閘門式運河の線形、分水区間の隧道案と切通し案、給水、港湾、工費、収入、実施方法を示し、テワンテペク案・ニカラグア案との比較も行います。

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フランスの鉱山技師ナポレオン・ガレラが、パナマ地峡の調査をもとに太平洋と大西洋を連絡する運河を検討した技術報告です。地峡の地形・地質、既存の交通、建設材料を調べたうえで、経路、閘門、トンネル、給水、工事費、予想収入へ議論を進めます。単に最短距離を示すのではなく、船を実際に通すために必要な構造と運用条件を一連の計画として説明します。

出発点には、チャグレス川をゴルゴナやクルセスまでさかのぼり、そこから陸路でパナマへ向かう従来の交通があります。直線距離と実際の移動距離の隔たりを示し、河川の蛇行や山地が輸送に及ぼす影響を検討します。地質記述では粘土、礫、岩石の分布を取り上げ、掘削の難易や資材の調達に関わる条件として扱います。地理的な観察が、そのまま工事の設計と費用の問題につながっています。

提案の中心は、地峡の高所を越える閘門式運河と、山地を貫くトンネルの組合せです。大西洋側のリモンから太平洋側のバカ・デ・モンテへ至る区間を分け、掘削、河川改修、水路、昇降設備に必要な作業を積み上げます。トンネル内の船の牽引方法や通路の幅にも踏み込み、断面を小さくする工夫と航行の実用性を比較します。開削だけで山地を越える案との違いも検討対象です。

運用面では、閘門の使用による水の消費、蒸発、浸透などを考え、給水の見通しを立てます。交通量と収入については船舶や郵便路の情報を参照し、旅客や貨物の通過を見積もりますが、これらは開通後の需要を想定した計算です。建設費を小さくするための小型船向けの案も比較され、初期投資を抑えることと、将来の船舶を受け入れる能力との兼ね合いが論じられます。

さらにテワンテペクやニカラグアの計画と照らし合わせ、パナマ案を海洋間交通全体のなかに位置付けます。工事が可能かという問いに加え、完成後にどの程度役立つかを判断しようとする点が特徴です。本書からは、十九世紀の測量情報と工学的な推定を用いて、地形の障害を具体的な設備、費用、航行条件へ置き換えていく計画立案の過程が読み取れます。

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原刊
パリ、Carilian-Gœury et V. Dalmont、1845年
翻訳版
166頁
図版・挿図
2点
原刊言語
フランス語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Napoléon Garella, Projet d’un canal de jonction de l’Océan Pacifique et de l’Océan Atlantique à travers l’isthme de Panama, Paris: Carilian-Gœury et V. Dalmont, 1845.
権利・利用条件
1845年刊の原著本文はパブリックドメインです。BnF/Gallica画像の再利用はGallicaの利用条件に従います。Internet Archive項目は possible-copyright-status: NOT_IN_COPYRIGHT と表示し、University of Florida Digital Collectionsの当該項目はパブリックドメインと推定される資料として公開されています。
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