書籍
MITTELAMERIKANISCHE REISEN UND STUDIEN · 1902
原題Mittelamerikanische Reisen und Studien aus den Jahren 1888 bis 1900
中央アメリカ旅行と研究 1888–1900年
1902年初版・原刊前付、本文全426頁、統計付録 日本語全訳
1888年から1900年にかけて中央アメリカ各地を踏査したカール・ザッパーの旅行・地理研究。グアテマラ、英領ホンジュラス、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマの紀行と民族誌的観察に加え、自然地理、生産、貿易、通貨、運河、農園経営を論じた総括部、統計付録を収録しています。原刊前付、本文全426頁、原注、諸表、標題図、本文図60点、折込地図4点を収めています。
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ザッパーの『中央アメリカ旅行と研究』は、一八八八年から一九〇〇年までの広範な踏査を、旅行記と地理学的な総括の二つの形でまとめた著作です。グアテマラ、英領ホンジュラス、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマを巡り、山地、火山、森林、河川と住民の生活を記録します。後半では自然地理、生産、貿易、通貨、交通、農園経営を整理し、個々の行程から得た知識を地域全体の比較へ広げています。
旅行の部分では、コックスコーム山地の横断、ホンジュラス内陸の訪問、ニカラグアの地震と火山群、コスタリカの火山登攀などが主要な場面となります。山刀で下生えを開き、飲料水と食料を配分し、荷を運ぶという行動が、観測と並んで詳しく語られます。同行者や案内人の労働を通して、地図に記される経路が、実際には身体的な困難と現地の知識に支えられていたことがわかります。
地形の説明では、山脈、湖、湾、断層の関係を観察し、それぞれがどう形成されたかを推論します。降雨については、大西洋側の山地で貿易風が水分を失い、風下の太平洋側では雨が少なくなる仕組みを論じます。測定された気温や降水量と、地質的な成因の仮説は性格が異なりますが、いずれも土地を体系的に説明しようとする著者の研究方法を示しています。
民族誌的な見聞には、グアトゥソ人、スモ人、モスキート人などの訪問が含まれます。生業、食物、道具、居住環境を記すとともに、土地利用と住民の分布を自然条件へ結びつけます。ただし、人々の分類や生活への評価には当時のヨーロッパ人研究者の見方が現れます。生活の具体的な記録を利用する際には、著者の一般化と、訪問地で観察できた範囲との違いを意識する必要があります。
総括部では、コーヒー栽培、新規農園の造成、輸出入、資源、運河、飲料水の確保などを扱い、調査成果を実務上の判断へつなげます。高度帯や移動日数を示す地図、統計表は、国境を越えて各地を比較するための道具です。科学的な説明と経済利用への関心が結びつく本書は、中央アメリカを旅して見る記録であると同時に、自然と交通と生産の条件を把握しようとした時代の総合的な地域研究です。
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- 原刊
- ブラウンシュヴァイク、1902年
- 翻訳版
- 467頁
- 図版・挿図
- 65点
- 原刊言語
- ドイツ語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Karl Sapper『Mittelamerikanische Reisen und Studien aus den Jahren 1888 bis 1900』(Braunschweig: Druck und Verlag von Friedrich Vieweg und Sohn、1902年初版)。
- 権利・利用条件
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