合衆国国立博物館所蔵パレンケ石板の表紙

書籍

SMITHSONIAN CONTRIBUTIONS TO KNOWLEDGE · NO. 331

原題The Palenque Tablet in the United States National Museum

合衆国国立博物館所蔵パレンケ石板

1879年初版・原刊本文1–81頁 日本語全訳

Charles Rauチャールズ・ラウ

合衆国国立博物館に収蔵されたパレンケ石板の来歴と図像を中心に、パレンケ探査史、十字架の神殿、メキシコ・ユカタン・中央アメリカの先住民文字を論じた研究。1879年初版の前付、本文1–81頁、原注151件、索引、原刊画像22点を省略なく収録しています。

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チャールズ・ラウが、合衆国国立博物館に収蔵されたパレンケ石板を中心に、その来歴、遺跡の探査史、十字架の神殿と浮彫、先住民の文字を論じた1879年の研究です。一つの収蔵品を入口として、現地の建築、図像の比較、古い報告書の伝来、文字解釈の問題へ議論を広げます。博物館の遺物を、切り離された美術品としてではなく、本来の場所と研究の歴史へ戻して考える構成です。

石板の来歴に続く探査史では、先行する調査者の報告と図がどのように作られ、保存され、伝えられたかを追います。革命によってスペインへ送る計画が頓挫し、メキシコで保管された資料の話は、遺跡の知識が政治状況と無関係ではなかったことを示します。研究者が利用できる証拠は、実際の遺構だけでなく、残った写本や図の所在にも左右されます。

十字架の神殿については、スティーヴンズとワルデックの図や測定の不一致を具体的に取り上げます。屋根、壇、上部構造、壁の開口などが違うため、どちらが正しいかを決められないとする箇所は、図を無条件に正確な複製として扱わない態度を示します。十字形の図像と人物の配置を考える際にも、比較の土台となる記録そのものを吟味する必要があるのです。

後半はメキシコ、ユカタン、中央アメリカの文字を扱い、ランダのいわゆるアルファベットの価値をめぐる異なる見解を紹介します。それを解読の鍵とみる立場と、文字体系の理解として疑問を呈する立場が併記されます。彫刻された頭部を特定の文字記号へ結びつけるのは危険だと留保する部分もあり、形の類似だけから意味を決める方法の難しさが前面に出ています。

宗教儀礼や先住民社会を評する言葉には19世紀の価値観が含まれ、文字と図像の解釈も当時の研究段階に属します。そのため現在の解読成果の代わりではなく、何が問題として設定され、どの証拠が比較されたかを知る書物です。付録の遺跡に関する覚書まで合わせて読むと、一点の石板の収集史から、建築記録の信頼性と文字研究の方法へ展開する古物学の仕事が見えてきます。断定できない点を残す姿勢も、本書の重要な内容です。

考古学研究調査報告図版集パレンケチアパスメキシコユカタン中央アメリカ英語パレンケ石板十字架の神殿マヤ文字スミソニアン19世紀

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原刊
ワシントンD.C.、1879年
翻訳版
130頁
図版・挿図
22点
原刊言語
英語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Charles Rau『The Palenque Tablet in the United States National Museum, Washington, D. C.』Smithsonian Contributions to Knowledge, No. 331(Washington City、1879年初版)。
権利・利用条件
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更新日

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