書籍
GÉOGRAPHIE ET COMMERCE · 1911
原題Les cinq républiques de l’Amérique centrale
中央アメリカの五共和国
コスタリカ・グアテマラ・ホンジュラス・ニカラグア・サルバドル
コスタリカ、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、サルバドルの政治、経済、交通、産業を、ペリニーの現地見聞と当時の統計によって記述した地誌です。各国の農業や貿易、鉄道、港湾、財政を取り上げ、20世紀初頭の中央アメリカを紹介します。フランス国立図書館所蔵の1911年刊本を底本としています。
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モーリス・ド・ペリニーが、20世紀初頭の中央アメリカを、現地での見聞と統計資料に基づいて紹介した地誌です。対象はコスタリカ、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、サルバドルの五共和国で、各国の自然条件、人口、政治、産業、財政、交通、対外貿易を関連づけて記述します。著者の関心は、風景や風俗の紹介だけにとどまりません。中央アメリカにおけるフランスの貿易がなぜ衰えているのかという問題を掲げ、商人の営業方法、直航路の不足、外交・領事組織のあり方を論じており、フランスと同地域との商業関係を改善するための案内という性格を備えています。
全体は八章からなります。冒頭で五か国の概況と歴史的背景を示したのち、国別の章を置き、最後に中央アメリカ連合と貨物運賃を扱います。国別の記述では、首都や港湾の様子とともに、主要な農産物、輸出入、鉄道や道路、財政の状態を取り上げます。たとえばコスタリカについては、人口の推移、両大洋に面する位置、サン・ホセの施設などに触れ、劇場建設への支出を飲料水供給や交通路整備と比較して論評します。ホンジュラス国有鉄道の運賃を掲げるなど、物資の移動に要する具体的な条件にも踏み込みます。数字や施設の列挙に、著者自身の評価が重なる構成です。
このため本書では、中央アメリカを一つの地域として捉える視点と、五共和国の違いを比較する視点が併存しています。農業と貿易は港湾・鉄道の状況と結びつけられ、政治的なまとまりの問題も、国家間の関係を考える章として扱われます。各国を独立した章で読める一方、同じ種類の情報を照合すれば、当時の産業や交通の発展がどこに集中し、どのような制約を受けていたかを検討できます。
史料としては、当時の統計や都市・交通施設の記録に加え、フランス人旅行者が中央アメリカの将来と商業上の可能性をどう評価したかを伝える点に特色があります。統計の数値、現地での観察、著者の政策的な意見を読み分けることで、20世紀初頭の地域経済と、海外から向けられた関心の双方を知ることができます。
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- 原刊
- Paris: Pierre Roger et Cie, [1911].
- 翻訳版
- 212頁
- 図版・挿図
- 26点
- 原刊言語
- フランス語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Comte Maurice de Périgny, Les cinq républiques de l’Amérique centrale, Paris: Pierre Roger et Cie, [1911].
- 公開元
- フランス国立図書館(BnF)所蔵、Gallica公開。ペリニー資料Carton 8(SG MS-4-48 (1171))に収められた刊本。画像はWikimedia Commonsの公開版を参照。 ↗
- 権利・利用条件
- 原著者モーリス・ド・ペリニーは1935年没。本文・図版はWikimedia Commonsでパブリックドメインとして公開されています。画像出典:Bibliothèque nationale de France/Gallica。写真中のUnderwood & Underwoodの原著作権表示は史料の一部です。公開画像:https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=186790150
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