書籍
原題México y sus cuestiones financieras con la Inglaterra, la España y la Francia
メキシコとイギリス・スペイン・フランスとの財政問題
イギリス、スペイン、フランスとの関係
1862年刊。メキシコの対英・対西・対仏債務、各国との協定、外国人請求をめぐる歴史と清算を、契約文書・会計資料とともに論じる財政報告書。UANL所蔵の原刊本を底本とし、欠落箇所はハーバード大学所蔵の同版で補完する。
詳細概要 詳細概要を閉じる
イギリス・スペイン・フランス三国の武力干渉に直面したメキシコで、政府の委嘱を受けたマヌエル・パイノが1862年にまとめた財政報告書。外国に対する債務を一括して論じるのではなく、ロンドンで発行した公債、外交協定によって支払を定めた債権、外国人個人の損害賠償請求を区別し、それぞれの成立過程、支払実績、残高と法的根拠を検討する。債務の回収が軍事介入の理由とされた時点で、メキシコ側がどのように自国の責任と権利を説明したかを示す史料である。
対英関係では、独立直後の借款に始まり、債務整理、未払利息の元本組入れ、財務代理商会の交代、1850年の借換えなどをたどる。借款の額面と政府が実際に受け取った資金との隔たり、仲介商会の取引、公債保有者との交渉が、長期にわたる財政負担を生み出す仕組みを具体的に示す。たばこ契約や輸送金の押収などから生じた請求も扱い、商取引上の問題が外交上の争点に変わっていく過程を描いている。
対西関係の中心は、独立以前の債務とマドリード条約の解釈、協定への個別債権の組入れである。パイノは、債権者がスペイン人であることと、その債務を外国債務として扱うこととは同じではないと論じる。対仏関係では、三次にわたる協定の支払状況に加え、ヘッカー債券とペサ債券を詳しく検討する。とりわけ内戦下の政府と金融業者の取引について、発行された債券の巨額の額面に対して国庫が得た実益は何だったのか、その責任を外交的に追及できるのかを問い直す。
後半には三国への支払額と債務残高の総括、外国人の各種請求、内戦中の損害、海港税収の配分を収める。付録の法律・条約・契約・往復文書を本文の議論と併せて読むことで、レフォルマ期の政治対立と国家財政、税関収入、国際金融が結び付く実態を追うことができる。
本書は中立的な統計集だけではなく、メキシコの履行努力を強調し、外国の請求と武力介入の正当性を批判する立場から書かれている。著者自身も、短期間の編纂による未調査の案件や勘定の誤りが残ることを認めている。数字の集積と同時に、政府側の弁論として読むことが重要である。底本はヌエボ・レオン自治大学公開の1862年版。
EPUBは本文リフロー型です。読書アプリの画面幅・文字サイズ・縦横表示に合わせて組み替わります。
- 原刊
- メキシコ、イグナシオ・クンプリード印刷所、1862年。
- 翻訳版
- 607頁
- 日本語訳表紙
- 0点
- 原刊言語
- スペイン語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Manuel Payno, México y sus cuestiones financieras con la Inglaterra, la España y la Francia. México: Imprenta de Ignacio Cumplido, 1862.
- 権利・利用条件
- 原著および1862年刊本はパブリックドメインです。主底本はUniversidad Autónoma de Nuevo León(UANL)所蔵のデジタル公開本です。本文84–85頁はHarvard University所蔵の同版をInternet Archiveが公開するデジタル本で補完しました。翻訳版には底本画像を転載していません。
- 公開日
- 更新日
- 訂正窓口
- 誤訳・誤植を連絡する ↗
DOCUMENT READER
日本語翻訳版 PDF
PDFは自動では読み込みません。閲覧するときだけ下のボタンを押してください。