書籍
ISTHMUS OF PANAMA · 1867
原題Isthmus of Panama: History of the Panama Railroad; and of the Pacific Mail Steamship Company
パナマ地峡 パナマ鉄道史
太平洋郵船会社史ならびに旅行者・実業家便覧・1867年刊 日本語全訳
パナマ鉄道の計画・建設・運営と財務、地峡横断旅行案内、パナマに接続する汽船会社・航路・運賃・貨物規則、中央・南アメリカ各国およびメキシコの地誌と商業情報を収めた、1867年刊の鉄道史兼旅行・実務便覧です。
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一八六七年刊の本書は、パナマ鉄道の成立史と、地峡を利用する旅行者・商人のための実務情報を合わせた便覧です。鉄道の計画、建設、運営、財務に続き、接続する汽船会社と航路、運賃、貨物規則、港湾設備、中央・南アメリカとメキシコの地誌を収めます。パナマを通り抜けることは一本の鉄道路線だけで完結せず、海運、港、代理店、通貨、積替えの仕組み全体によって可能になるという、十九世紀の国際交通の実態が具体的に見えてきます。
鉄道史では、工事の進行と費用の増大、請負方式の採用、関係者の役割をたどります。会社社長ジョン・L・スティーヴンズの死や後任人事にも触れ、事業の継続が人材と組織の問題でもあったことを伝えます。地峡の衛生状態や輸送業務の性格も取り上げ、建設を技術的成功だけで説明しません。年次の財務諸表を併せて読むことで、工事を終えるまでの物語と、その後に運賃収入を得て事業を維持する企業活動を結びつけられます。
実務部分では、旅客・貨物運賃、特別貨物、貨幣換算、埠頭料、艀運賃、港則などを細かく示します。汽船会社については太平洋郵船会社のほか、フランス、イギリス、中央アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアを結ぶ航路と代理店が扱われます。小包の容積・重量制限、正貨や貴重品の扱い、通し運賃、郵便の予定、貨物引渡しの期限まで記され、距離や時間だけでなく、どの会社がどこで何を引き受けるのかが重要だったことが分かります。
地峡横断の案内と各国の商業情報は、鉄道を大西洋と太平洋の交換地点として位置づけています。豊富な表は現在使える旅行情報ではなく、一八六〇年代に移動と交易がどのような区分、価格、契約条件で組織されたかを知る資料です。企業と事業の成果を高く評価する語りには編著者の立場があり、財務や運航の数値と賛辞を区別して読む必要があります。鉄道技術史に加え、会社経営、郵便、海運、旅客輸送、商品の流れを横断して検討できることが本書の強みです。運河以前のパナマが、遠隔地同士をつなぐ中継点として機能した仕組みを、物語と規則の両面から追うことができます。
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- 原刊
- ニューヨーク、Harper & Brothers、1867年
- 翻訳版
- 334頁
- 図版・挿図
- 38点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- F. N. Otis, Isthmus of Panama: History of the Panama Railroad; and of the Pacific Mail Steamship Company, New York: Harper & Brothers, 1867.
- 権利・利用条件
- 1867年刊の原著本文・図版はパブリックドメインです。Internet Archiveの当該項目メタデータは「Possible copyright status: NOT_IN_COPYRIGHT」と表示しています。
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