中央アメリカのウォーカーの表紙

書籍

WALKER EN CENTRO-AMÉRICA · 1887

原題Walker en Centro-América

中央アメリカのウォーカー

ニカラグア内戦からフィリバスター戦争、ウォーカーの最期まで・1887年刊 日本語全訳

Lorenzo Montúfarロレンソ・モントゥファル

ロレンソ・モントゥファルが、1854年以降のニカラグア内戦とウィリアム・ウォーカーの来訪・政権・敗北、1860年の最期までを、中米諸国の外交文書・軍事報告・新聞資料を用いて叙述した1887年刊の歴史書です。

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ロレンソ・モントゥファルが、ウィリアム・ウォーカーの中央アメリカでの活動を、一八五四年の前史から一八六〇年の最期まで叙述した歴史書です。ニカラグア内戦と外国人部隊の招致、政権の成立、周辺諸国との戦争、敗北、再来の試みを、外交文書、軍事報告、布告、新聞などによってたどります。ウォーカー一人の生涯ではなく、その来訪を可能にした地域の対立と、排除するための中米諸国の行動を広く扱う点に特色があります。

前史ではフルト・チャモロの大統領職と内戦、コスタリカとニカラグアの国境問題を取り上げます。ウォーカーの活動が空白の土地へ突然始まったのではなく、既存の党派対立と国家間の緊張に入り込んだことを示す構成です。ポンシアノ・コラルの軍法会議については、審理、証言、判決、処刑命令などが挙げられ、権力の獲得が司法の形式と武力を通して進む過程を具体的な文書で追うことができます。

戦争の叙述ではサンタ・ローサ、リバスなどの戦闘、各国軍の行動、指揮官の命令、損失、布告が組み合わされます。中米側の連携は一枚岩としてではなく、異なる軍と政府の関係を含むものとして現れます。また米国によるウォーカー政権の承認と、それに対する中米諸国やペルーの外交官の抗議も収められ、軍事的な勝敗だけでなく、誰が正当な政府を代表するのかが国際的に争われたことが分かります。ウォーカー側の声明や演説も、対立する主張を確認する資料です。

敗退後の再遠征、米国当局や海軍の対応、賠償要求、最終的な処刑までを追うことで、戦争がニカラグア国内だけでは終結しなかったことを示します。著者はウォーカーへの批判的な立場を持ち、文書の選択と出来事の評価にもその関心が反映されています。したがって、引用された当事者の言葉と著者の判断を分けて読むことが大切です。本書は参加者の個人的な冒険談に対し、中米諸国の主権と外交を軸とする厚い史料的背景を提供します。内戦、侵入、政府承認、連合軍、交通路、米国の中立をめぐる問題が一連の事件に重なっていたことを、複数の国と文書の視点から検討できます。ウォーカー戦争が十九世紀中央アメリカの政治記憶のなかでどのように歴史化されたかを知る著作でもあります。

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原刊
グアテマラ、Tipografía «La Unión»、1887年
翻訳版
992頁
図版・挿図
3点
原刊言語
スペイン語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Lorenzo Montúfar, Walker en Centro-América, Guatemala: Tipografía “La Unión,” Octava Calle Poniente núm. 6, 1887, [2], V, 1062 pp., [3] plates; 25 cm.
権利・利用条件
原著本文はパブリックドメインです。Biblioteca Americanista de Sevilla(CSIC)のデジタル画像はCC BY-NC-SA 4.0で提供され、所蔵・提供機関の表示が求められています。本日本語版は同条件の下で提供します。
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更新日

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