コスタリカとヌエバ・グラナダの表紙

書籍

COSTA RICA · 1853

原題Costa Rica and New Granada: An Inquiry into the Question of Boundaries

コスタリカとヌエバ・グラナダ

1853年初版・全5章、文書2点、付録 日本語全訳

Felipe Molinaフェリペ・モリーナ

コスタリカ外交官フェリペ・モリーナが、ヌエバ・グラナダとのボカ・トロ・チリキ境界問題と、ニカラグアとの国境・運河問題を論じた1853年の外交小冊子。前付、正誤表、索引、全5章、王室文書2点、付録、原注を省略なく訳し、原刊標題紙と折込地図を収録しています。

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コスタリカの外交官フェリペ・モリーナが、ヌエバ・グラナダとの国境争いを論じた1853年の小冊子です。ボカ・トロとチリキを中心とするカリブ海側の領域について、植民地時代の管轄、1803年の王令、独立時の状態、共和国間の条約、現実の占有を順に検討します。さらにニカラグアとの国境と運河の問題にも触れ、コスタリカの領土的な主張を国際的な読者へ説明します。

議論は、1803年以前にグアテマラ王国とサンタ・フェ副王領を分けた境界を確認するところから始まります。続いてサン・ロレンソ王令の効力と解釈を問い、行政上の命令がどの範囲の権利移転を意味したのかを論じます。独立した国家の領域を考える際に、スペイン王権下の文書と地理区分をどう引き継ぐべきかが、全体の中心的な問題です。

モリーナは王室の特許状や書簡、歴史家・地理学者の著作を証拠として用います。グアテマラ出身の著者には偏向の疑いが向けられ得るとしても、スペインで編纂したエレラやアルセドには当事者に肩入れする理由がない、と論じる部分は、史料の出身地と信頼性をめぐる彼の考え方を示します。過去の文書を引用するだけでなく、どの証言なら相手にも認められるかを意識した外交的な構成です。

現実の占有をめぐっては、ヌエバ・グラナダ側の施設が比較的新しく、安定した領有の根拠とはならないと主張します。モスキートの人々の居住と襲撃、英国との関係にも言及し、沿岸で活動したことと領域を保持していたことを区別しようとします。ニカラグアとの問題では、国境線だけでなくサン・フアン川と両洋間交通への関心が重なり、港や水路の帰属が国際的な利害に直結します。

本書は両国の主張を同じ距離から整理した研究ではなく、コスタリカ側の権原を擁護するための文書です。史料に基づく論証と、当事国の外交上の目的を併せて読む必要があります。領域の名称、勅令の言葉、入植や施設の設置、独立後の条約がそれぞれ異なる種類の根拠として用いられるため、国境が単なる地図上の線ではなく、過去の管轄と現在の行為をどう評価するかという争いによって形づくられることを理解できます。

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原刊
ワシントン、1853年
翻訳版
59頁
図版・挿図
1点
原刊言語
英語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Felipe Molina『Costa Rica and New Granada: An Inquiry into the Question of Boundaries, which is Pending between the Two Republics Aforesaid; with a Map for the Better Understanding of the Subject, and Documentary Evidence in Support of the Ancient Titles of Costa Rica; to which an Appendix has been Added, Containing a Brief Account of the Question between Costa Rica and Nicaragua』(Washington: R. A. Waters, Printer、1853年)。
権利・利用条件
フェリペ・モリーナは1855年に没しており、1853年初版の本文および原刊地図は著作権保護期間を満了したパブリックドメイン資料です。デジタル画像には公開元および所蔵館の利用条件が適用される場合があります。
公開日
更新日

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