書籍
PEABODY MUSEUM MEMOIRS · VOL. II
原題Researches in the Central Portion of the Usumatsintla Valley: Report of Explorations for the Museum, 1898–1900
ウスマシンタ川流域中部の調査
博物館のために実施した1898〜1900年の踏査報告
ピエドラス・ネグラス、ヤシュチランをはじめとするウスマシンタ川流域の遺跡踏査記録。公開英語刊本からの日本語重訳で、原刊の本文挿図と写真図版を収録しています。
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テオベルト・マーラーによる、1898~1900年のウスマシンタ川流域中部の踏査報告です。ピエドラス・ネグラスとヤシュチランを中心に、ラ・レフォルマ、チニキハ、チャンカラ、エル・カヨ、ラ・マルなどの遺跡を扱います。移動の記録と、建造物、石碑、祭壇、彫刻まぐさ石の個別記載を組み合わせ、流域の遺跡群を現地で確認した時点の状態から把握しようとする調査書です。
ピエドラス・ネグラスでは、多数の石碑を番号ごとに取り上げ、それらが立つ神殿や壇との位置関係を述べます。彫刻の人物、衣装、姿勢、文字、彩色の痕跡に注意が払われ、写真と図が観察を支えます。瓦礫を取り除いて中央入口のまぐさ石を見つける場面では、建物の構成についての予想が探索を導き、出土した石の割れ方や彫刻の保存状態まで記録されます。
ヤシュチランの部分では、川岸や斜面のテラスにある建物を分け、入口、部屋、階段、屋根、木の梁、彫刻石を詳しく説明します。室の長さと幅、入口の寸法、持送り式の天井の形などを測ることで、外観だけではわからない建築の仕組みを示します。円形祭壇と入口の対応、テラスから川沿いへ下る階段のように、個々の遺物を周囲の空間へ結びつけている点も重要です。
踏査の困難は調査内容と切り離されていません。急流と狭窄部のある川では、丸木舟と荷役動物を区間ごとに使い分けなければならず、到着した場所で次の移動手段が得られないこともあります。放棄された伐採拠点や川沿いの道の記述から、遺跡が現代の交通や森林利用の中でどのような位置にあったかもわかります。報告は石造物だけを切り出した目録ではありません。
人物像を司祭、戦士、捕虜などと呼ぶ解釈は、マーラーが当時の知識で与えたものです。彫刻の意味や文字の内容についての判断と、寸法、位置、損傷、色の残存といった観察は区別して読む必要があります。その区別を保てば、後の研究と比べるための記録として価値が明確になります。広い流域の遺跡を、建築と彫刻の細部、地形、到達経路の三つの面からつないで読むことのできる、大部の現地調査報告です。
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- 原刊
- 1901・1903年
- 翻訳版
- 384頁
- 図版・挿図
- 148点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Teobert Maler『Researches in the Central Portion of the Usumatsintla Valley』Peabody Museum Memoirs, Vol. II, Nos. 1–2(1901–1903年)。
- 権利・利用条件
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