書籍
PEABODY MUSEUM MEMOIRS · VOL. IV · NO. 1
原題Explorations of the Upper Usumatsintla and Adjacent Region: Altar de Sacrificios; Seibal; Itsimté-Sácluk; Cankuen
ウスマシンタ上流部および隣接地域の探検
アルタル・デ・サクリフィシオス/セイバル/イツィムテ=サクルク/カンクエン
ウスマシンタ川上流部と隣接地域における1904〜1905年の踏査報告。4遺跡の本文全訳に加え、原刊の本文図、概略図、写真図版I〜XIIIを完全収録しています。
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テオベルト・マーラーの本報告は、一九〇四年から一九〇五年にかけて行ったウスマシンタ川上流域と周辺地域の踏査をまとめたものです。四遺跡の建築と石造記念物を記述し、写真、概略図、地図を添えて、森林の中に残るマヤ遺跡の状態を記録します。遺跡だけでなく川筋、集落、移動距離、舟旅の難所にも注意を向け、考古学調査が地理的な探検と一体であったことを伝える著作です。
石碑の記載では、寸法、材質、破断、埋没、表面の剥落を区別し、どこまでが現存し、どの部分が失われたかを細かく述べます。人物の姿勢、衣服、装身具、足元の小人物、周囲のグリフを描写し、保存のよい別の石碑と比較して形を理解しようとします。図像の観察と石の現状を合わせて記すため、作品の意匠だけでなく、調査時点の保存状況を知る材料にもなっています。
撮影の準備も本文に現れます。土に埋まった文字を掘り出し、石を洗い、周囲の木を切り開いて光を当てるなど、写真が得られるまでの作業が説明されます。石碑の損傷については倒木や森林火災、人による破壊の可能性が挙げられ、自然と人間の行為が遺物の姿を変えてきたことがわかります。写真は単なる挿絵ではなく、著者の文章と照合して細部を確かめるための記録となっています。
川の記述は、チショイ川との合流点からセイバル、カンクエン、源流方面へと進みます。距離の見積もりと所要日数、緩やかな流れから激しい遡航へ変わる場面、舟子の労働、途中の牧畜農園などが、遺跡への接近条件を示します。地図の地名と本文の行程を読み合わせると、川が調査を可能にする道であると同時に、移動を制限する障害でもあったことが理解できます。
マーラーは、サクルクがリベルタへ改称された例などを挙げ、先住民の地名が失われることを強く批判します。一方、人物像を人種的な類型として評価する箇所には、当時の研究観が反映されています。詳細な観察と著者自身の価値判断を分けて読むことが大切です。本報告は、石造物の記録、河川地理、地名への関心を重ね合わせ、森林地域の過去をどのように記録しようとしたかを示しています。
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- 原刊
- 1908年
- 翻訳版
- 83頁
- 図版・挿図
- 22点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Teobert Maler『Explorations of the Upper Usumatsintla and Adjacent Region』Peabody Museum Memoirs, Vol. IV, No. 1(1908年)。
- 権利・利用条件
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