グアテマラ市史要覧の表紙

書籍

HISTORICAL COMPENDIUM · 1857

原題Compendio de la historia de la ciudad de Guatemala

グアテマラ市史要覧

1857年版・全2巻、全7論、付録、原注、目次、購読者名簿 日本語全訳

Domingo Juarrosドミンゴ・フアロス

ドミンゴ・フアロスがグアテマラ王国の地理、行政区画、人口、教会制度、征服史と首都の沿革を集成した歴史書。各地方の町や教区、歴代統治者と聖職者、教育・宗教施設を詳述する。グアテマラのルナ印刷所による1857年版全2巻を底本とする。

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ドミンゴ・フアロスの『グアテマラ市史要覧』は、首都の歴史を中心に据えながら、旧グアテマラ王国の地理、行政、教会制度、征服、地方社会を広く集成した著作です。題名から想像される一都市の年代記を越えて、チアパス、ホンジュラス、ニカラグアなどを含む諸地域の来歴と制度を扱います。地方の説明と歴代統治者・司教の記録を組み合わせ、植民地社会の全体像を示そうとしています。

地誌の部分では都市や管轄区の位置、距離、人口、住民の区分、産物などを述べます。先住民の貴族と平民、ラディーノなどを分けた人口の記載や、トラスカラ出身者の子孫に認められた特権は、住民が一様な法的身分に置かれていなかったことを示します。町の給水、水盤、建物などの描写もあり、政治的な区画を具体的な都市生活へ結びつけています。

首都については市参事会、紋章、教会、修道院、学院の創立と発展が重要な主題です。大聖堂や各聖所の歴史は、司教や寄進者、行列、礼拝、建築の変遷とともに語られます。地震と都市の破壊、移転をめぐる意見の違いを扱うことで、宗教的・政治的な中心が自然災害によって揺さぶられる過程も見えます。建物は景観の要素であるだけでなく、共同体の歴史を記憶する場所になっています。

征服と布教の叙述では、先住民諸社会の統治への評価、グアテマラ各地の征服、ベラパスやマンチェ方面への改宗事業などが現れます。役人、植民者、修道会の対立やアウディエンシアの命令も取り上げ、王国の形成を複数の機関の行動から描きます。ただし住民の能力や信仰に関する判断は著者のカトリック的な世界観に支えられ、先住民側の自己理解をそのまま伝えるものではありません。

人物の徳や奇跡的な出来事について、著者自身が教会の判断を先取りしないと断る点も、この歴史書の性格を示します。歴代官職者の名と年次、地方ごとの記録、都市の施設を併せて読むことで、出来事を調べる参考書としても、植民地社会の秩序を理解する著作としても利用できます。独立以前の王国を一つのまとまりとして捉える視線が、後に分かれた共和国の境界とは異なる地域のつながりを浮かび上がらせます。

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原刊
グアテマラ、1857年
翻訳版
808頁
図版・挿図
4点
原刊言語
スペイン語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Domingo Juarros『Compendio de la historia de la ciudad de Guatemala』全2巻(Edición del Museo Guatemalteco, Guatemala: Imprenta de Luna, Calle de la Providencia núm. 2、1857年)。
権利・利用条件
1857年原刊は著作権保護期間を満了しています。公開画像の利用条件はBiblioteca Ludwig von Misesの当該項目表示に従います。
公開日
更新日

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