グアテマラへの旅の表紙

書籍

REIZE NAAR GUATEMALA · 1827

原題Reize naar Guatemala

グアテマラへの旅

第I部(1827年)

J. HaefkensJ. ハーフケンス

オランダの外交官ハーフケンスが、スリナムから中央アメリカへ向かう航海と、グアテマラへの道中および首都での見聞を記した旅行記です。ゲント大学所蔵、Internet Archive公開の1827年刊第I部を底本としました。第II部(1828年)は底本未入手のため未収録です。

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オランダの外交官ハーフケンスが、スリナムから中央アメリカへ向かう航海と、グアテマラへの道中、首都での見聞を記した旅行記です。本書で読める範囲は一八二七年刊の第一部であり、翌年の第二部までを含む全行程の記録ではありません。著者は読者に話しかける親しみのある調子で、移動の事情、出会った人びと、土地の様子をつなぎます。航海を退屈の連続として語る冒頭からも、壮大な発見譚だけではなく、旅の実際の時間と手間に関心を向ける姿勢が分かります。

スリナムでは旧知の人との再会と世話になった経験を記し、中央アメリカへ入ると港と川、内陸の町を経て進む道の条件を描きます。グアランに六日間滞在したことについて、なぜ長く足を止めたのかを説明する場面では、小さな町の記述を通して他の地域にも当てはまる生活事情を伝えようとします。移動の速度を決めるのは地図上の距離だけではなく、乗物、宿、準備、同行者や現地の人びととの関係であることが、道中の叙述から読み取れます。

サカパ近くの渡河では、人はカヌーで渡り、ラバは泳がせなければならない様子が詳しく描かれます。強い流れで動物が下流へ運ばれ、岸から追い立てる必要があるという具体的な観察は、陸上輸送が河川地形によって制約される実態を伝えます。首都での見聞とともに、ホンジュラスの港、造船や船体修理、森林産物にも話題が及び、マホガニーや染料木、樹脂などが列挙されます。旅人の経験と地域の産物・交通の説明が重なっている点が特徴です。

河川と湖は土地を肥沃にし魚を供給する一方、船の喫水によって航行範囲が限られると論じられます。モタグア川やサン・フアン川は比較的少ない費用で改良できるという見解も紹介されますが、それは現地で語られた見通しとして受け止めるべき部分です。著者の直接の観察、他者から聞いた情報、外国人外交官としての評価を区別することで、独立後間もない中央アメリカが外部の観察者にどう映ったかを具体的に知ることができます。個々の町や道の描写を通して、暮らしの風俗と商業上の可能性を同時に見ようとする、十九世紀前半の旅行記です。

旅行記地誌中央アメリカグアテマラスリナムオランダ語ハーフケンスオランダ19世紀中央アメリカ連邦

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原刊
ハーグ、W. K. Mandemaker、1827年。全2部(1827-1828)のうち第I部。
翻訳版
82頁
図版・挿図
2点
原刊言語
オランダ語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
J. Haefkens, Reize naar Guatemala. ハーグ、W. K. Mandemaker、1827年。全2部(1827-1828)のうち第I部。
権利・利用条件
底本:パブリックドメイン(著作権保護期間満了)。Internet Archive公開画像の権利表示:Public Domain Mark 1.0(https://creativecommons.org/publicdomain/mark/1.0/)。折込市街図の補完画像:オランダ国立図書館所蔵・Google Books公開。
公開日
更新日

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