書籍
A NEW SURVEY OF THE WEST-INDIAS · 1655
原題A New Survey of the West-Indias
西インド諸島新調査
1655年増補第二版・献辞・全22章・ポコンチ語/ポコマン語小文法・巻末詳細目次・地図4葉 日本語全訳
イングランド人聖職者トマス・ゲージが、1625年の渡航からメキシコ、チアパス、グアテマラ、ベラパス、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ、カリブ海を経た帰国までを記した旅行・地誌。1655年増補第二版の標題紙、献辞、推薦詩、全22章、ポコンチ語/ポコマン語小文法、巻末詳細目次を全訳し、原刊の地図4葉を綴じ位置に従って収録しています。
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トマス・ゲージが一六二五年の渡航から帰国までの経験をもとに、メキシコと中央アメリカを記した旅行・地誌です。メキシコ、オアハカ、チアパス、グアテマラ、ベラパス、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ、カリブ海へと視野が広がり、町の景観、食物、通商、修道院、先住民の生活を扱います。聖職者として現地で暮らした経験が具体的な記述を生む一方、スペイン支配とカトリックへの批判が全体を方向づけています。
渡航と道中の叙述は、船団の航行、上陸、宿と食事、地域ごとの物産を伝えます。都市の豊かな店舗や金銀細工、肉や家禽を多く用いる食卓、チョコレートを飲む習慣など、植民地社会の消費と富が印象的に描かれます。その一方で、小麦の販売を有力者が支配し、貧民が圧迫されるとする批判もあり、繁栄と利益の偏りを結びつけて見ています。
過去の征服や先住民の宗教の説明も織り込まれ、現在の町や制度へ歴史的な背景を与えます。ただし、目撃した場面と以前の文献に依拠する記述が併存するため、全篇を同じ性質の証言として扱うことはできません。修道会内部ではスペイン生まれと現地生まれの者の関係を論じ、宗教組織の中にも出身と権限をめぐる対立があったことを伝えています。
グアテマラ周辺では、修道院に属する町、水車、穀物農場、牧場、砂糖農園などの収入源を挙げます。教会の富と先住民の負担、聖像を守るために住民が金を集める場面は、信仰、共同体の名誉、経済的な徴収が結びついた仕組みを示します。言語への関心も深く、巻末のポコンチ語・ポコマン語の小文法は、日々の司牧を支えた言葉についての資料となっています。
奇蹟や聖像に対する疑い、帰国後を見据えた宗教的な議論からは、著者が自身の歩みを告白と論争の物語として組み立てたことが分かります。イングランドの海外進出に関わる主張も、土地の描写と切り離せません。本書は植民地の日常生活に関する豊かな情報を持ちますが、個人的な経験、反カトリックの立場、スペイン領への関心がどこで重なるかを意識すると、その証言の具体性と偏りをともに理解できます。
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- 原刊
- ロンドン、E. Cotes for John Sweeting、1655年(増補第二版)
- 翻訳版
- 670頁
- 図版・挿図
- 4点
- 原刊言語
- 英語・ラテン語・マヤ諸語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Thomas Gage『A New Survey of the West-Indias: The English American His Travail by Sea and Land』(London: E. Cotes for John Sweeting、1655年、著者増補第二版)。
- 権利・利用条件
- 1655年原刊本文および原刊地図は、米国・日本ともに著作権保護期間を満了しています。米国議会図書館はジェイ・I・キスラック・コレクションの当該デジタル画像をパブリックドメインとして公開し、自由な利用と再利用を認めています。
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