文書群
FOREIGN RELATIONS OF THE UNITED STATES · 1894
原題Papers Relating to the Foreign Relations of the United States, Nicaragua (Mosquito Territory), 1894
米国外交文書集 1894年 ニカラグア(モスキート領)
モスキート領とブルーフィールズをめぐる外交文書・日本語全訳
1894年のニカラグアによるモスキート領の編入とブルーフィールズの政情をめぐり、米上院の要請に応じて1895年1月3日に提出された外交文書集です。外交官・領事・海軍の報告と関係国との往復書簡を収め、英米の対応、現地自治、在留外国人の保護を扱います。米国国務省歴史局の公開本文を底本としています。
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本書は、一八九四年のニカラグアによるモスキート領の編入とブルーフィールズの政情をめぐる米国外交文書集です。上院の要請を受けて翌年一月三日に提出された文書を中心に、外交官、領事、海軍関係者の報告、関係国との書簡、現地の請願、布告などを収めます。一つの結論へ整理された歴史叙述ではなく、事態の進行に応じて異なる立場の情報と判断が積み重なる記録です。
主な争点は、ニカラグアの主権、モスキート保留地の自治、イギリスの関与、米国人とその財産の保護です。ブルーフィールズの港湾と収入は政治的な争いの背景にあり、軍隊の進出や臨時の統治機構が商業と日常生活へ及ぼす影響が報告されます。租税や地代を定める布告に対する反発からは、主権の変更が具体的な経済負担と法の運用を変える問題だったことが分かります。
暫定的な取り決めでは、既存のイングランド法をニカラグアの主権に抵触しない範囲で自治当局の法として認める条項も示されます。独立した二つの法体系のどちらかを選ぶだけでは解けない、自治と国家統合の関係が表れています。また住民の苦情をスペイン語で書き取り、読めない署名者もいたとする報告は、調査と同意が誰の言葉で記録されるかという問題を伝えます。
英米間の往復書簡では、クレイトン=ブルワー条約がなお有効か、イギリスが影響力を拡張しようとしているかが検討されます。米国旗を掲げる汽船による兵員輸送や、在留者からの保護要請も現れ、外交上の原則と現場の船舶・兵力の使用が結び付きます。通信の遅れや担当者の健康など、中央政府が現地を把握する際の実務的な制約も、文書を読むうえで重要です。
各報告は中立的な全景ではありません。ニカラグア側、自治側、外国商人、英米の代表は、それぞれ自分の権利と行動を説明し、相手の意図を評価しています。互いの文書を照合すると、同じ事件の意味が立場によって変わることが分かります。領土編入を一度の宣言としてではなく、治安、商業、法律、外交交渉が重なって進む過程として追える点に、この文書集の具体的な価値があります。
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- 原刊
- Washington: Government Printing Office, 1895. 底本207頁。
- 翻訳版
- 294頁
- 図版・挿図
- 0点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- United States, Department of State. Papers Relating to the Foreign Relations of the United States, Nicaragua (Mosquito Territory), 1894. Washington: Government Printing Office, 1895. pp. 1–207.
- 権利・利用条件
- 底本は米国連邦政府刊行物であり、パブリックドメインです。米国国務省歴史局が公開する電子本文(TEI XML)のライセンスはCC0 1.0 Universalです。https://github.com/HistoryAtState/frus/blob/master/LICENSE.md
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