文書群
CORRESPONDENCE RESPECTING THE MOSQUITO TERRITORY · 1848
原題Correspondence respecting the Mosquito territory
モスキート領に関する往復文書
モスキート領をめぐる外交文書集・日本語全訳
イギリス外務省が1848年に下院へ提出した、モスキート領をめぐる外交文書集です。モスキート王の領土とイギリスの保護、ニカラグアおよびヌエバ・グラナダの領有権主張、サン・フアン占領と交渉の経緯を伝えます。ミシガン大学所蔵の1848年刊本を底本としました。
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一八四八年にイギリス外務省が下院へ提出した、モスキート領をめぐる外交往復文書の集成です。パーマストン、チャットフィールド、ウォーカーらの書簡を軸に、モスキート王の領土、イギリスの保護、ニカラグアとヌエバ・グラナダの領有権主張を追います。王国や国境を既成の事実として説明するのではなく、誰がどの地域への権利を主張し、その根拠として何を提出したのかが、交渉当事者の言葉を通して示されます。
付属資料にはスペイン王室の命令、植民地法令、コロンビアの法令、地方官間の書簡、交易許可証、旅行記や歴史書の抜粋、地図などが含まれます。一八〇三年の命令やサン・アンドレス諸島、コスタリカとベラグアの境界に関する文書は、植民地期の行政上の措置を独立後の領有権へどう結びつけるかという問題を具体化します。モスキート王への貢納、現地官吏の任命、法律、住民の供述も、実効的な支配を示す証拠として動員されています。
後半の中心はサン・フアンの占領と軍事衝突、その後の交渉です。港とサン・フアン川をめぐる命令、抗議、海軍報告、条約を並べることで、外交上の主張が艦船と部隊の行動へ移る経過をたどれます。ニカラグア側はモスキート王国や王の主権を承認したことがないと反論し、イギリス側は保護関係と領土請求を維持します。封鎖宣言の文言がニカラグアの権利承認と読まれないよう修正されたという記述は、単語の選択そのものが交渉上の意味を持つことをよく示します。
本書は多くの対立する文書を含みますが、イギリス政府が議会へ示すために編成した資料集であり、すべての声を同じ条件で記録したものではありません。各文書の発信者、日付、宛先、付属資料との関係を確認し、領有権の主張と史実を区別して読むことが重要です。国際法上の承認、先住民の王権、帝国の保護、沿岸の交易、武力行使が交わる点に、この集成の価値があります。モスキート海岸を単なる国境紛争の舞台としてでなく、複数の政治主体が異なる支配の論理を争った場所として理解するための、具体的で厚みのある材料を提供します。
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- 原刊
- ロンドン:T. R. Harrison、1848年。1848年7月3日イギリス下院提出。
- 翻訳版
- 248頁
- 図版・挿図
- 3点
- 原刊言語
- 英語・スペイン語・フランス語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Great Britain. Foreign Office, Correspondence respecting the Mosquito territory. Presented to the House of Commons, July 3, 1848, in pursuance of their address of April 3, 1848. London: Printed by T. R. Harrison, 1848. 本文1-133頁、付録i-ix頁、折込地図3点。
- 権利・利用条件
- 原著本文・原刊地図はパブリックドメインです。所蔵:University of Michigan。公開:HathiTrust Digital Library。底本PDFの権利表示はPublic Domainで、全部または一部の複製・利用・再配布を認めています。
- 公開日
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