書籍
HISTORIA DE COSTA RICA · 1889
原題Historia de Costa Rica durante la dominación española, 1502–1821
スペイン統治下のコスタリカ史
1502–1821年・1889年マドリード初版 日本語全訳
レオン・フェルナンデスが、コロンによる1502年のコスタリカ沿岸到達から1821年の独立までを、征服、植民地行政、総督、先住民社会、宣教、海防、モスキート海岸との関係、経済と人口の推移に沿って年代順にまとめたコスタリカ植民地史の古典です。リカルド・フェルナンデス・グアルディアが公刊した1889年初版の前付、本文1–640頁、注、自筆署名見本24葉と名簿、索引、正誤表を収録し、原刊の段落、引用、表、注、頁順を保持しています。
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レオン・フェルナンデスが、1502年のコロンブスの沿岸到達から1821年の独立までをまとめたコスタリカ植民地史です。初期の航海と征服をたどった後、歴代総督の統治を軸に、入植地の建設、行政、宣教、先住民との関係、海防、経済と人口の変化を記します。書簡、遠征報告、行政記録などを多く引用し、過去の出来事を文書の言葉に結びつけて説明する性格の強い著作です。
初期の諸章ではニクエサ、ペドラリアス、ヒル・ゴンサレス、フェルナンデス・デ・コルドバらの活動と、ベラグア、ニコヤ湾、デサグアデロをめぐる動きを取り上げます。オビエドの地誌的な記述や遠征者の報告によって、当時の海岸認識、島々、住民、交通の様子を示します。征服隊の食糧不足、兵士の逃亡、現地の首長との駆け引きも現れ、進出の困難が具体的に描かれています。
カバジョン、エストラダ・ラバゴ、バスケス・デ・コロナド以後の展開では、都市建設と領域支配を持続させる課題が前面に出ます。総督や臨時統治者の交代、巡察、職務審査、国王やアウディエンシアへの訴えが、行政の実態を伝えます。前任者への告発が逆に告発者への処罰を招く事例もあり、植民地の権力が一方的な命令だけでなく、訴訟と審査を通じて争われたことが見えてきます。
タラマンカへの遠征と都市の破壊、再征服の試みは、スペインの支配が及びにくい地域との長い関係を示します。海賊の来襲やモスキート海岸との関わりも、乏しい資源で防備を維持する必要と結びついています。宣教や遠征を豊かな土地と金の獲得への期待で説明する文書からは、信仰上の目的、王への奉仕、経済的な利害が重なっていたことを読み取れます。
著者の死後に公刊された本書は、完成した一枚岩の歴史像というより、文書調査の蓄積を背景とする年代順の叙述です。引用された報告の「平定」や住民に対する評価は、発信者の立場と目的を踏まえて読む必要があります。総督の名を連ねる構成のなかから、交通、補給、労働、対外的な脅威を拾い直すことで、コスタリカが周辺地域との関係のなかで形成された過程を把握できます。国家の独立以前の歴史を史料に即して追うための基礎的な著作です。
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- 原刊
- マドリード、マヌエル・ヒネス・エルナンデス印刷所、1889年
- 翻訳版
- 613頁
- 図版・挿図
- 24点
- 原刊言語
- スペイン語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- León Fernández, Historia de Costa Rica durante la dominación española, 1502–1821, publicado por Ricardo Fernández Guardia, Madrid: Tipografía de Manuel Ginés Hernández, 1889。
- 権利・利用条件
- 原著者レオン・フェルナンデス(1840–1887)および公刊者リカルド・フェルナンデス・グアルディア(1867–1950)の著作権保護期間は満了しており、原著はパブリックドメインです。Internet Archiveの主底本公開記録はNOT_IN_COPYRIGHTと表示しています。公開画像にはInternet Archiveの当該項目と提供館の条件が適用されます。
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