書籍
FILIBUSTER WAR IN NICARAGUA · 1886
原題Reminiscences of the “Filibuster” War in Nicaragua
ニカラグア「フィリバスター」戦争回想録
ウィリアム・ウォーカーと1854–57年ニカラグア内戦・1886年刊 日本語全訳
チャールズ・W・ダブルデイが、1854年のニカラグア内戦への参加から、ウィリアム・ウォーカー率いるアメリカ人部隊の戦闘、サン・フアン河での作戦、撤退とその後の遠征までを一人称で記した回想録です。付録ではニカラグア横断運河の必要性を論じています。
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チャールズ・W・ダブルデイが、一八五四年のニカラグア内戦への参加から、ウィリアム・ウォーカーの来訪、戦闘、サン・フアン川の作戦、撤退、その後の遠征までを振り返った回想録です。自分の入国、軍務契約、部隊の編成、負傷や病気、家庭生活への帰還を一人称で語り、後に大きな国際問題となった事件を、参加者の日常と判断の連続として描きます。付録にはニカラグア横断運河をめぐる主張も収められます。
前半は熱帯の港、湖、宿、軍人との会話から内戦へ入り、リバス、グラナダ、レオンなどでの行軍と戦闘をたどります。狙撃、捕虜の殺害、農園の焼却、コレラ、撤退、湖上の船旅が、軍隊の活動を支える物資と身体の条件を伝えます。現地人のライフル銃兵中隊を編成した経験も記し、米国人だけで完結しない軍事活動の実態が見えてきます。戦争の場面の間に余暇や景観の描写が挟まれる点も、当事者の回想としての特徴です。
ウォーカーについて著者は、勇気や人格に個人的な親愛を抱く一方、中央アメリカで採った方針には反対だったと明言します。トランジット航路を作戦地域とする目的を、独立した指揮権とカリフォルニアからの増援の確保に見いだし、少人数の部隊の能力をめぐる意見の相違も語ります。後半ではイギリスの介入、河川での作戦、リバス包囲、帰国後の中立法をめぐる裁判、再遠征、難破を取り上げ、最後にはウォーカーへの同行を断るに至ります。
この距離の取り方は本書の重要な性格ですが、自分の判断を説明する回想でもあるため、記憶、自己弁護、他者への評価を区別する必要があります。ウォーカーへの批判が、そのまま米国の地域への関与を否定する立場になるわけではなく、付録では大洋間の入口を米国と外国のどちらが掌握するかという戦略的な選択を強調します。本書は中米側の外交文書による通史とは異なる、米国人参加者の視野を伝える資料です。戦場の具体的な経験、指揮官への信頼と疑念、交通路の支配への関心を合わせて読むことで、フィリバスター戦争が個人の冒険と国際的な構想の双方によって動かされた様子を検討できます。親愛と反対が同居する語りが、単純な英雄伝にも告発書にも収まらない読後の課題を残します。
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- 原刊
- ニューヨーク/ロンドン、G. P. Putnam’s Sons、1886年
- 翻訳版
- 151頁
- 原刊表紙・口絵地図・標題紙
- 3点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Charles W. Doubleday, Reminiscences of the “Filibuster” War in Nicaragua, New York and London: G. P. Putnam’s Sons, 1886.
- 権利・利用条件
- 1886年刊の原著はパブリックドメインです。Wikimedia Commonsは当該画像をパブリックドメインとして扱い、Creative Commons Public Domain Mark 1.0を表示しています。
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