論文
KUNST UND RELIGION DER MAYAVÖLKER · ZEITSCHRIFT FÜR ETHNOLOGIE · 1925
原題Kunst und Religion der Mayavölker im alten und heutigen Mittelamerika
古代および現代中央アメリカのマヤ諸民族の芸術と宗教
1925年雑誌初出・原刊1–45頁・図239点・図版53葉 日本語全訳
古代の土器・彫刻・絵文書と、近現代ケクチ社会の宗教実践を比較し、マヤの神格、儀礼、暦、病因観、芸術表現を総合的に論じた1925年論文。献辞、本文、注、図239点、図版53葉、図注を収録しています。
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ディースルドルフの『古代および現代中央アメリカのマヤ諸民族の芸術と宗教』は、土器、彫刻、絵文書と、近現代のケクチ社会の宗教実践を比較する研究です。多数の図と図版を用い、神格、暦、儀礼、病因観、芸術表現を一つの体系へまとめようとしています。著者が長く暮らした地域での聞き取りや観察が、古代の像を解釈するための材料になっている点が大きな特徴です。
議論はトウモロコシの重要性と生活環境に根差しています。収穫の成否が人々の願いと祈りを支配すること、季節の変化や洪水が動物と人の行動を変えることを、神々への信仰と結び付けます。若い神と老いた神を対照し、歯、脚の縄、頭飾り、動物の姿などをその違いの標識として読みます。具体的な生活条件から神格の役割を説明しようとする一方、図像の各部を特定の意味へ対応させる推論も多く含みます。
ツルタカに関する部分では、高い山や険しい岩、なだらかな山、泉や温泉を、男女の性格を持つ存在として説明します。初めて温泉を通る際に柴を供える習慣は、熱病を起こす力への畏れと奉仕の表明として解釈されます。播種や作物を探す行為に伴う儀礼、地中に住むマムへの態度なども記され、農業と病気、地形と宗教が日々の実践の中で結び付いています。
考古資料では、チャフカルの土偶群、コバンの洞窟からの像、コパンの記念物、メキシコ各地の石像などを比較します。顔立ちが似ていても頭飾りと姿勢が異なる像、トウモロコシやカカオ、月や鳥を伴う像を、それぞれの神の現れとして読み分けます。ペルーの土器や織物にも視野を広げ、文化と文字の発達を比較する箇所には、著者の文明観も表れています。
本書の強みは、出土地と所蔵先を伴う具体的な作品群と、著者が聞いた語りや見た儀礼を同時に示すことです。ただし、現住民の実践から古代の図像へ直接さかのぼれるという前提や、神格の同一視は検討すべき仮説です。生活の観察、伝承、遺物の記述、総合的な宗教論を分けて読むことで、マヤの信仰を過去と現在の連続の中で理解しようとした、初期民族考古学的な研究の広がりと限界が見えてきます。
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- 原刊
- 『Zeitschrift für Ethnologie』Bd. 57(1925年)Heft 1/2, pp. 1–45
- 翻訳版
- 107頁
- 図版・挿図
- 292点
- 原刊言語
- ドイツ語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- E. P. Dieseldorff「Kunst und Religion der Mayavölker im alten und heutigen Mittelamerika」『Zeitschrift für Ethnologie』Bd. 57(1925年)Heft 1/2, pp. 1–45。本文図5点(図235–239)と図版53葉(図1–234)、計239図。
- 権利・利用条件
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