パレンケ近郊で発見された古代都市遺跡の記述の表紙

書籍

ARCHAEOLOGICAL REPORT & HISTORICAL ESSAY · 1822

原題Description of the Ruins of an Ancient City, Discovered near Palenque, in the Kingdom of Guatemala

パレンケ近郊で発見された古代都市遺跡の記述

1822年英語初版・全巻日本語訳

Antonio del Río / Pablo Félix Cabreraアントニオ・デル・リオ/パブロ・フェリクス・カブレラ

1787年に実施されたデル・リオのパレンケ遺跡調査報告と、カブレラの歴史論考を併録した1822年ロンドン刊英語版の全巻日本語訳。前付、本文、付録、メキシコ年の表、補遺、全注記に加え、原刊図版17点を紙葉の周縁ごと無裁断で収録しています。

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一七八七年に行われたアントニオ・デル・リオのパレンケ遺跡調査報告と、パブロ・フェリクス・カブレラのアメリカ史に関する論考を併せた、一八二二年ロンドン刊の著作です。前者が建造物と遺物の記述を中心とするのに対し、後者はそれらを住民の起源と古代の大陸間移動の問題へ結びつけます。同じ遺跡が、現地で観察される石造建築であると同時に、世界史の大きな謎を解く証拠として扱われるところに、本書の二重の性格があります。

デル・リオはホセ・エスタチェリアに宛てた報告の形で、パレンケ近郊の「石の家々」の位置と状態を説明します。建築、浮彫、人物像などの描写と図版は、初期の調査者が何に注意を向け、どのように遺跡を記録したかを伝えます。遺構を見て得られた情報が、文字や年代を十分に理解できない条件のなかで整理されるため、形態の観察と、その意味を説明する解釈を分けて読むことが大切です。後代の遺跡像と比較する際にも、早い時期の記述という位置づけを持ちます。

カブレラの『テアトロ・クリティコ・アメリカーノ』は、アメリカの諸民族の起源を、旧世界の歴史、古典、聖書的な年代観、移住伝承と関連づけます。パレスチナを去った人びとの移動、カナン人、ヘラクレスに帰される航海などを取り上げ、名称の解釈や伝承の一致を大陸への植民の説明に用います。メキシコ年の表や多くの注も、この広い歴史構想を支える材料です。征服時の記録破壊が先住民史を不確かにしたと嘆く一方、自らの解釈によって起源の謎が解けるとする強い確信も示しています。

この起源説を、パレンケの調査によって確定した歴史と受け取ることはできません。古代の語や神話、図像の類似から移住を論じる方法には、当時の学問的前提と推測が含まれています。本書の価値は、現地調査の記録と、その記録がどのように世界史的な説明へ取り込まれたかを一緒に検討できる点にあります。両著者の目的を区別し、建物の記述、図版、引用典拠、推論を照合すると、マヤ遺跡の初期研究が古物研究、宗教史、民族起源論の交点にあったことが分かります。パレンケが国際的な学術関心の対象となる過程を伝える資料です。

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原刊
1822年
翻訳版
149頁
図版・挿図
17点
原刊言語
英語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Antonio del Río/Pablo Félix Cabrera『Description of the Ruins of an Ancient City, Discovered near Palenque』(London、1822年)。
権利・利用条件
原刊本文・図版はパブリックドメインです。デジタル画像の利用判断にはLibrary of Congressの当該項目「Rights & Access」表示を基準とします。
公開日
更新日

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