書籍
THE DEFENCE OF THE SETTLERS OF HONDURAS · 1824
原題The Defence of the Settlers of Honduras Against the Unjust and Unfounded Representations of Colonel George Arthur, Late Superintendent of That Settlement
ホンジュラス植民者の弁護
アーサー大佐の申立てに対する反駁・1824年ロンドン再刊版 日本語全訳
1823年に下院の命で印刷された『ホンジュラスにおける奴隷の状態と待遇に関する往復書簡』に対し、ホンジュラス住民側から刊行された反駁書。アーサーの統治、奴隷の待遇、インディアンとその子孫の身分・財産、モスキート海岸の法令を論じる全5部、付録、署名者一覧、および1798年のスペイン軍来襲記録を収録しています。
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一八二三年にイギリス下院の命で刊行された、ホンジュラスの奴隷の状態と待遇に関する往復書簡へ、現地の植民者側が反論した文書です。前監督官ジョージ・アーサーの申立てを不当だと主張し、統治の方法、奴隷の待遇、先住民とその子孫の身分・財産、モスキート海岸の法令を論じます。全五部と付録、署名者一覧に加え、一七九八年のスペイン軍来襲に関する記録も収められ、植民者の評判と権利を守るための弁護という目的が明確です。
冒頭ではアーサーの統治が居住地を分裂させたと非難し、彼に対する謝意決議や退任時の奉呈文が、どのような条件で作られたかを問題にします。表面上の賛同をそのまま住民全体の評価とみなしてよいのかを争う部分で、監督官と判事団、住民の集会、帝国政府の間にあった権限と情報の対立が分かります。本文は声明、書簡、尋問、令状などを並べ、アーサーの説明と植民者側の説明を具体的な文書の解釈として対決させています。
奴隷の待遇をめぐっては、黒人の忠誠や善良さ、スペイン軍への防衛における貢献を挙げ、それを植民者に有利な証拠として用います。同時に、所有者が重大な犯罪の処罰を独断で行うことは裁判所の権限を侵すとする議論もあり、問題が個々の扱いだけでなく司法の管轄に関わっていたことが見えます。先住民とその子孫を所有者から引き離す措置、違法に奴隷化された者の賠償などは、自由と隷属の境界を誰が判定するのかという争点につながります。
付録に置かれたモスキート海岸の布告や交易法令、監督官の指示は、過去の制度を当時の主張の根拠にするための材料です。本書が述べる忠誠や待遇を、そのまま奴隷となった人びとの自発的な証言と受け取ることはできません。植民者が自分たちの正当性を示すために選び、配置した史料として読む必要があります。その立場を踏まえると、奴隷制をめぐる批判への対応、自由身分の認定、現地自治と帝国行政の衝突を具体的に検討できます。防衛の功績を称える一七九八年の記録も、過去の戦争が一八二〇年代の政治的弁護にどう利用されたかを示す重要な要素です。
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- 原刊
- ロンドン、1824年(A. J. Valpy再刊)
- 翻訳版
- 168頁
- 図版・挿図
- 0点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- The Defence of the Settlers of Honduras Against the Unjust and Unfounded Representations of Colonel George Arthur, Late Superintendent of That Settlement: Principally Contained in His Correspondence Relative to the Condition and Treatment of the Slaves at Honduras, 1820–1823, and Printed by Order of the House of Commons, 16th June, 1823, London: A. J. Valpy, 1824.
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