中央アメリカの福音の表紙

書籍

THE GOSPEL IN CENTRAL AMERICA · 1850

原題The Gospel in Central America

中央アメリカの福音

国土概説・英領ホンジュラス伝道史・グアテマラへの聖書導入 日本語全訳

Frederick Croweフレデリック・クロウ

中央アメリカの地理・歴史・政治・社会・宗教を概説し、英領ホンジュラスにおけるバプテスト伝道と、著者自身によるグアテマラへの聖書導入を記録した全三部の著作。原刊に綴じ込まれた出版社書目、前付、本文、原注、正誤表、目次、末尾の折込地図を収録しています。

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フレデリック・クロウの『中央アメリカの福音』は、地域の地理・歴史・社会を概説したうえで、英領ホンジュラスのバプテスト伝道と、著者自身のグアテマラでの聖書普及活動を記す一八五〇年の著作です。全体は三部に分かれ、国家や住民を説明する広い視野から、教会形成と個人の経験へと焦点を移します。プロテスタント伝道者が、活動の背景と必要性を読者へ説明するために書いた、宗教的立場の明確な記録です。

第一部では、中央アメリカの国土、各州と港、首都の街路や建物、交通、人口と言語を紹介します。グアテマラ市とベリーズは、地理的な地点であるだけでなく、政治と交易、宗教活動の拠点として扱われます。荷を背負って市場へ向かう住民の移動など、日常の経済活動も記され、国内交通の制約が地域の結びつきと伝道の可能性にどう関わるかが示されています。

歴史と政治の概説は、発見、征服、植民地期の布教、独立、連邦の党派争いへと進みます。アルセや他の指導者を論じ、イギリスの侵食と占領にも独立した注意を向けます。著者の政治家や軍人への評価は強い調子を帯び、カトリックの制度と住民の宗教生活についても批判的です。こうした判断は、出来事の中立的な整理とは区別し、著者の改革と伝道の構想に結びつけて読む必要があります。

第二部は英領ホンジュラスの教会が形成され、養われ、分裂と困難を経験し、支援を受けて拡張する過程をたどります。学校、現地の働き手、伝道者の生活費、委員会との関係などが具体的に現れます。教会内部の争いも隠されず、ヘンダーソンらの扱いをめぐる論争には、現地の活動と遠隔地の支援組織との間にある権限や信頼の問題が表れています。

第三部のグアテマラでの聖書導入は、一般的な伝道理念を著者個人の行動へ結びつける部分です。書物を届けることが宗教的な接触であると同時に、当局や既存の信仰秩序との交渉でもあったことを伝えます。本書は、プロテスタントとカトリックの対立だけでなく、印刷物、教育、交通、資金、個人の関係が伝道を成り立たせる様子を示します。地域像を作る視点そのものを読み解くことが重要な資料です。

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原刊
ロンドン、Charles Gilpin、1850年
翻訳版
818頁
図版・挿図
2点
原刊言語
英語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Frederick Crowe, The Gospel in Central America; Containing a Sketch of the Country, Physical and Geographical—Historical and Political—Moral and Religious; a History of the Baptist Mission in British Honduras, and of the Introduction of the Bible into the Spanish American Republic of Guatemala, London: Charles Gilpin, 1850.
権利・利用条件
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