グアテマラ司教区地理・道徳誌の表紙

書籍

DESCRIPCIÓN GEOGRÁFICO-MORAL · 1771

原題Descripción geográfico-moral de la diócesis de Goathemala

グアテマラ司教区地理・道徳誌

1771年公式呈上写本全3巻・司祭管区図113点・送付状2通 日本語全訳

Pedro Cortés y Larrazペドロ・コルテス・イ・ララス

1768年から1770年に行われたグアテマラ司教区の司牧巡察を、教区・町ごとの地理、人口、言語、産業、交通、宗教生活、社会状況とともに記録した大部の地誌。1771年の公式呈上筆記写本全3巻、司祭管区図113点、特別図2点、人口表を含む258表、1771年4月1日・5月1日付送付状を収録しています。PARES公開の史料画像から改めて全訳し、1958年版は判読と本文校合にのみ用いました。

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ペドロ・コルテス・イ・ララスが1768~1770年に行ったグアテマラ大司教区の司牧巡察に基づく、大部の地理・社会記録です。司祭区と町ごとに、位置、距離、人口、家族、言語、産業、道、宗教生活、住民と司祭の行動を記します。地図と人口表を伴い、広い地域を教会の管轄として把握するとともに、著者が問題と考えた信仰と統治の実情を明らかにしようとしています。

巡察に先立って司祭へ送った書簡と、その回答が重要な情報源になります。著者は提出された内容をそのまま受け入れず、自らの観察と比較します。住民名簿の人数が少なすぎると疑い、別の経路で作り直そうとする場面は、数値を得る難しさと調査者の判断を示します。人口表は確定した統計の集まりとしてだけでなく、何を誰から数えたかを考えながら読む資料です。

各地の記述には、中心村、付属村、農園、圧搾所、谷、川、火山、分散した小屋などが現れます。地形と距離は、旅程の背景であるだけでなく、司祭が住民へ接触し、礼拝や秘跡を行う条件を左右します。住民を当時の身分・出自の区分で数える箇所も多く、植民地社会が教会と行政の目にどのような集団として映っていたかがわかります。

宗教生活では、年ごとの告解と聖体拝領、ミサへの参加、教理の理解、臨終の秘跡、学校と教育が問題になります。幼児の死後の通夜に音楽、踊り、酒が伴うことを非難する報告などからは、住民の慣行と教会が求める規範の違いが見えます。居所を変える人が多く、義務の履行を確かめられないという記述もあり、教区の制度と人々の実際の移動は必ずしも一致していません。

著者は現地育ちの司祭の姿勢や道徳状態へ厳しい評価を下し、救済すべき問題が隠されていると訴えます。そうした断定は大司教の改革的な立場に属し、地域社会のすべてを中立に説明するものではありません。それでも、批判の対象として記された行事や生活、司祭の回答と著者の反論は、当時の社会を具体的に知る材料です。地域ごとの細かな記載を比較することで、教会の統一的な枠の中にあった言語、経済、居住形態、信仰実践の大きな差を捉えられます。

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原刊
1771年公式呈上筆記写本(Archivo General de Indias, GUATEMALA,948,N.2–N.3)
翻訳版
794頁
図版・挿図
113点
原刊言語
スペイン語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Pedro Cortés y Larraz『Descripción geográfico-moral de la diócesis de Goathemala』1771年公式呈上筆記写本、Archivo General de Indias, ES.41091.AGI/15//GUATEMALA,948,N.2–N.3(地図・図版:MP-GUATEMALA,74–186)。
権利・利用条件
1771年原著本文はパブリックドメインです。掲載画像はPARESの再利用条件に基づき、スペイン文化省、インディアス総合文書館、請求記号およびPARES URLを表示して利用しています。画像自体に本版独自のCreative Commonsライセンスは設定していません。1958年版独自の序文・校訂・注・編集物は収録していません。
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