グアテマラ王国の農業と商業に関する覚書の表紙

書籍

APUNTAMIENTOS SOBRE LA AGRICULTURA Y COMERCIO · 1811

原題Apuntamientos sobre la agricultura y comercio del Reyno de Guatemala

グアテマラ王国の農業と商業に関する覚書

Real Consulado de Comercio de Guatemalaグアテマラ王立商務院

グアテマラ王立商務院が1811年に刊行した経済改革の提言書。土地所有、先住民の労働負担、綿織物業、港湾・交通、外国貿易を論じ、人口・収支の統計や王令を収める。独立前の中米の社会経済と商業界の政策構想を伝える史料。

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本書は、グアテマラ市選出の議員アントニオ・ララサバルの求めに応じ、王立商務院が王国の農業・商業の現状と改善策をまとめた1811年刊の提言書である。スペイン王政下の制度を前提に、土地、労働、生産、流通を一体として論じる。ここでいうグアテマラ王国は現在のグアテマラ一国に限らず、周辺の中米諸地方を含む。冒頭では土地と気候、産物、住民の階層構成、各地の手工業、藍などの商品作物、輸出入と貨幣流通を概観する。

農業論では、土地の安定した所有と自作農の生産力を重視し、大土地所有との比較を示す。先住民が十分に耕作できない原因を、単なる怠惰ではなく、信心会、聖具室、教区、地方司法官などのために課される奉仕と負担に求める点が重要である。労働日数や食糧・飼料の供給量を挙げ、これらの役務が家計と農業を圧迫すると批判する。地方委員会の設置、土地の配分と所有の保護、教育、農業資金、産業の奨励などを提案し、パルドや白人の農業にも議論を広げる。

交通・流通の改善では、イサバル周辺の倉庫と港、ポロチク川の利用、道路、入植を取り上げる。トルヒーリョの防備や民兵編成まで論じており、経済の振興が沿岸の統治と軍事に結び付いていたことが分かる。商業論の中心は、密輸と外国製綿布の流入を抑え、地域の綿花栽培、紡績、織物業を保護する構想である。外国との自由な取引を無条件に肯定する立場ではなく、スペインとの直接交易と国内生産の回復を重視している。

付録ではイギリスの関税や産業政策を参照しながら、外国貿易の利益と損失を検討する。藍をロンドンへ送った取引と、ベラクルス経由でカディスへ送った取引を、運賃、手数料、税、売却代金などから比較する具体例が特徴的である。人口、教区・村数、商務院の収支、輸出品の統計に加え、先住民の使役などをめぐる1742年の王令も収録する。商務院自身の利害と植民地期の身分観を踏まえて読む必要があるが、独立前の中米における農村社会、地域産業、交易制度と改革思想を具体的に検討できる資料である。

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原刊
Nueva Guatemala: Oficina de D. Manuel de Arévalo, 1811.
翻訳版
110頁
図版・挿図
0点
原刊言語
スペイン語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Real Consulado de Comercio de Guatemala, Apuntamientos sobre la agricultura y comercio del Reyno de Guatemala. Nueva Guatemala: Oficina de D. Manuel de Arévalo, 1811.
権利・利用条件
1811年刊の原著は著作権保護期間満了。原刊画像はフランシスコ・マロキン大学ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス図書館所蔵本をInternet Archiveが公開し、公開記録の権利表示はNOT IN COPYRIGHT。
公開日
更新日

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