書籍
HISTORIA DE YUCATHAN · 1688
原題Historia de Yucathan
ユカタン史
1688年初版・本文、前付、巻章索引、主要事項索引 日本語訳
1688年マドリード初版を基準に、前付、全12巻223章の本文、巻章索引、主要事項索引479項目を日本語化。原刊本文1–760頁の改頁位置と別刻扉・木版図を収録し、リフロー型EPUBも併載しています。
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ディエゴ・ロペス・デ・コゴリュードの『ユカタン史』は、スペイン人の到来と征服、先住民の社会、植民地の政治、フランシスコ会の宣教を広く扱う年代記です。全十二巻の長い叙述では、航海と戦争から町や教会の成立、修道士の生涯、総督と司教の関係へと話題が展開します。地域史と修道会史を重ね、ユカタンの過去をキリスト教社会の成立過程として説明した十七世紀の著作です。
初期の航海では、エルナンデス・デ・コルドバらが接触した海岸、上陸、先住民との戦闘を記します。コルテスのホンジュラス遠征に関係する事件も含まれ、ユカタンを周辺地域の征服史から切り離さずに描いています。著者は先行する年代記や記録を参照し、ときには史料が明らかでないため断言を避けると述べます。複数の伝承をどう採用するかという歴史編纂上の判断も表に出ています。
征服以前の習俗や法に関する記述は、婚姻、罪と刑罰などを含みます。ただし、戦争の原因を服従を拒んだ先住民に帰すなど、スペイン支配を正当化する説明もあります。こうした判断は記載された情報とは分けて読む必要があります。征服後の叙述では、町の建設と教会の設立が重なり、カンペチェやバカラルをはじめ各地方への宣教の広がりが詳しく語られます。
修道士の徒歩での巡回、説教、教理教育、先住民言語の習得、文法書や語彙集の編纂が主要な話題です。シウダ・レアルの大きな語彙集などへの言及からは、言語研究が宣教の基盤として評価されたことが分かります。一方、司教による教理区の編成や村の所属変更、王令の執行をめぐる争いは、教会が一枚岩ではなく、世俗の統治者とも権限を争ったことを示します。
聖母像への崇敬、修道士の徳行、病苦や災厄に際して行われる宗教的な救済も多く記されます。聖杯や祭服などの供給、寄進と支援者の存在は、信仰生活の物質的な条件を伝えます。奇蹟や神の正義による説明を著者の信仰として捉えながら読むと、本書は植民地ユカタンの政治と宗教制度、地方社会の関係を知る資料であり、同時に修道会が自らの活動を歴史として記憶した方法を示す書物でもあります。
EPUBは本文リフロー型です。読書アプリの画面幅・文字サイズ・縦横表示に合わせて組み替わります。
- 原刊
- マドリード、1688年
- 翻訳版
- 1310頁
- 図版・挿図
- 2点
- 原刊言語
- スペイン語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Diego López de Cogolludo『Historia de Yucathan』(Madrid、1688年初版)。前付、全12巻223章、巻章索引、主要事項索引を対象。
- 権利・利用条件
- 原刊本文はパブリックドメインです。Internet Archiveの当該項目には個別のrights/licenseurl表示がありません。公開画像には当該項目と提供館の条件が適用されます。
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