書籍
RÉCIT DE VOYAGE · 1886
原題Deux ans à Panama : notes et récits d'un ingénieur au canal
パナマでの二年間
運河技師の覚書と物語
1881年にパナマ運河事業へ加わった若いフランス人技師が、地峡で過ごした二年間を綴る回想記です。ガンボアでの測量と野営、チャグレス川上流への探検、パナマでの暮らし、病気や地震の体験を、同僚や現地の人々との逸話とともに描きます。ハーバード大学所蔵、Google電子化、Internet Archive公開の1886年第4版を底本としています。
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二十二歳のフランス人技師H・セルモワーズが、1881年にパナマ運河会社の派遣隊に加わり、地峡で過ごした二年間を回想した一冊です。サン=ナゼールで船に乗り、カリブ海の島々やラ・グアイラを経てコロンへ到着するところから始まり、パナマ鉄道での横断、ガンボアの野営地、運河予定線の調査、ヨーロッパへの帰還までを十四章で描きます。巨大事業の全体史というより、その初期に働いた一技師の日常を、会話や人物の逸話を交えて伝える記録です。
仕事の中心には、チャグレス川のダム計画に関わる調査、全体図の作製、運河中心線の設定、パナマ湾の水路測量があります。森に道を切り開き、現場で測量し、丸木舟で川を遡る作業の様子から、地形や水流を把握するために必要だった労力が見えてきます。鉄道、舟、野営施設、食料や器具の調達も繰り返し登場し、運河建設を支える移動と生活の条件が具体的に描かれます。
その一方、町のホテルや共同食卓、賭博、祝祭、飼育動物、狩りなど、勤務の外側の話題も大きな割合を占めます。フランス人の同僚、医師、地元の労働者や舟の棹さし、中国人、ジャマイカ人らとの関わりが、著者の驚きや冗談、ときには偏見を伴って語られます。病気による離脱や仲間の死も記され、熱帯で働くことの危うさが、冒険や友情の記憶と隣り合っています。
後半のチャグレス川上流への探検とカイマン狩りには、急流や動物との遭遇、野営、悪天候に見舞われる場面が続きます。最終章では、地震の際の避難や住民の恐慌、余震の中での仮住まいを詳しく描きます。結びには、苦労を経験した土地と仲間への愛着が残ります。技術的な記述、自然観察、交友の物語を併せて読むことで、フランス人技師が初期の運河事業をどう経験し、振り返ったかを知ることができます。
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- 原刊
- Paris: C. Marpon et E. Flammarion, 1886. Quatrième édition.
- 翻訳版
- 232頁
- 図版・挿図
- 0点
- 原刊言語
- フランス語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- H. Cermoise, Deux ans à Panama : notes et récits d'un ingénieur au canal. Quatrième édition. Paris: C. Marpon et E. Flammarion, 1886.
- 権利・利用条件
- Internet Archiveのメタデータは米国を対象にNOT_IN_COPYRIGHTと記しています。フランス国立図書館の著者典拠では正確な没年を確認できず、刊行国フランスでの保護期間満了は本調査では確定していません。Google電子化ファイルの利用案内と原著の権利状態は区別します。
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