書籍
HISTORIAS DE CRISTÓBAL DEL CASTILLO · SIGLO XVI
原題Historia de la venida de los mexicanos y otros pueblos e Historia de la conquista
メシカ人と諸民族の到来史/メシコ征服史
16世紀ナワトル語史料・現存断片全訳
16世紀末にナワトル語で著された、メシカ人と諸民族の移住伝承、メシコの征服戦争、暦に関する歴史断片の日本語全訳。1908年パソ・イ・トロンコソ版を主底本とし、同版未収録断片と疑問箇所をフランス国立図書館所蔵のFonds mexicain諸写本で照合しています。ナワトル語本文が失われた章は、アントニオ・ピチャルドの現存スペイン語訳・要約から訳しました。
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『メシカ人と諸民族の到来史/メシコ征服史』は、十六世紀末にナワトル語で書かれた、移住伝承と征服戦争、暦に関する歴史断片を集めた作品です。メシカ=テノチカがどこから来たかという起源の語りから、テノチティトランの陥落とクアウテモクの死までを扱います。完結した単一の年代記ではなく、伝存する章と断片の集成であり、ナワトル語の失われた部分には後代のスペイン語訳・要約で伝わる内容もあります。
第一部では、アストラン・チコモストクから人々を導いた存在、ウィツィロポチトリ、戦争の装具、各地への移動と定着、最初の統治者アカマピチトリなどが語られます。飢えのため野生の植物を食べたことに由来する呼称や、水を渡った後にとどまった土地の記憶も含まれます。集団の来歴は、神の命令、戦い、食物、地名を結び付ける物語として構成されています。
ウィツィロポチが死を前に民へ命じ、別れを告げる部分では、人間的な指導者の生涯と神的な存在との関係が重なります。心臓と血を捧げる行為が神々への奉仕として語られる一方、呼称には植民地期の宗教的な表現も見られます。このため、語られた起源をそのまま近代的な民族移動の報告へ置き換えるのではなく、歴史と神話を結ぶ記憶の形式として読むことができます。
第二部は、大神殿の祭りの最中の殺戮、スペイン人による黄金の分配、夜の逃走と死者、戦争の終結、クアウテモクの捕縛と処刑などを記します。征服者の視点だけではなく、祭りを襲われた人々、テノチカとトラテロルカが敗れた時という側から戦争が表現されます。コルテスがモテクソマの宮殿を住居にしたという記事は、政治権力の変化を都市の具体的な場所に結び付けます。
日付にはトナルポワリや年の数えが使われ、陥落の瞬間が日名、年名、神格、戦いの徴とともに述べられます。暦は出来事を並べるための番号以上の意味を担っています。断片間のつながりと伝存状態に注意しながら読むことで、先住民の歴史語彙と植民地期の記録がどのように共存するかを知ることができます。起源と征服を一緒に扱う構成は、国家の始まりと終わりを同じ記憶の中で捉え直す視野を与えます。
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- 原刊
- 16世紀末ナワトル語原著、フィレンツェ、サルヴァドール・ランディ印刷所、1908年刊
- 翻訳版
- 62頁
- 図版・挿図
- 1点
- 原刊言語
- ナワトル語・スペイン語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Cristóbal del Castillo『Fragmentos de la obra general sobre historia de los mexicanos, escrita en lengua náhuatl por Cristóbal del Castillo, siglo XVI』、Francisco del Paso y Troncosoスペイン語訳(Florencia: Tipografía de Salvador Landi、1908年)。
- 権利・利用条件
- 16世紀原著本文と1908年刊本の本文・翻訳は著作権保護期間を満了し、Internet Archiveの当該項目はNOT_IN_COPYRIGHTと表示しています。原刊標題紙画像は同公開スキャンから出所表示を保持して収録しました。BnF Gallicaの写本画像は本文照合に限って用い、本版へ転載していません。Ramón Troncoso Pérez論文はUABリポジトリ上で著作権・関連権による保護対象と表示されるため、研究上の判断のみを参照し、本文・現代訳を転載していません。
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