書籍
UN PUEBLO DE LOS ALTOS · 1897
原題Un pueblo de Los Altos: apuntamientos para su historia
ロス・アルトスの一つの町
トトニカパン史・1897年刊 日本語全訳
1897年中央アメリカ博覧会に際して編まれたトトニカパンの地方史です。地理・統計、キチェ系住民の古代史と暦、植民地期から独立後・ロス・アルトス州を経て19世紀末に至る政治・社会史、地域の人物略伝、憲法・議会文書を収めています。
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カランサが一八九七年の中央アメリカ博覧会に際して編んだ、トトニカパンの地方史です。地理と統計、キチェ系住民の古代史と暦、植民地期、独立後の政治、ロス・アルトス州、十九世紀末の社会、人物略伝、憲法・議会資料を組み合わせます。一つの町の歴史を通じて、高地地方が中央アメリカとグアテマラの政治にどう関わったかを示し、地域の記憶を国の歴史のなかへ位置づけようとする著作です。
地理の説明では町の名と温泉に関わる語源、古いキチェ語名とナワトル語系の呼称の対応などを論じます。暦の月名を挙げる部分は、先住民の過去と時間の数え方を地方史の基礎へ置きます。その後、征服と植民地の変化を経て、一八二一年以降の事件を年代順に詳述します。地名、住民、制度を切り離さず、何が変わり何が受け継がれたのかを、土地の記憶から説明しようとしている点が特徴です。
独立後の叙述では連邦政府と州政府のやり取り、県長官と市参事会、民兵の表明、ケツァルテナンゴの事件、ロス・アルトス州の成立とその後を扱います。学校、定期市、教会、公共工事、銀行、鉄道、政治団体も取り上げ、軍事と政権交替だけで地域の歴史を完結させません。自由主義や中央アメリカ統合への関心が強く、過去の人物を自由のための犠牲者として称える語りもあります。政治的な記憶と、町の教育・経済の変化が同じ年代記のなかに置かれています。
人物略伝は軍人、法律家、政治家などを通じて地域の役割を具体化し、付載された議事録、条約、憲法原理、抗議文は叙述の背景を補います。女性たちによる抗議の署名など、政治参加の広がりを示す文書も含まれます。ただし、著者が称える功績や批判する政権には、地方と党派の立場が反映されています。序文が歴史家の公平さの難しさを論じるように、同時代の争いを記録すること自体が論争の一部でもありました。本書は、トトニカパンの出来事を調べる史料集であるとともに、ロス・アルトスの記憶が十九世紀末にどのように整理され、公共の場へ提示されたかを知る著作です。地誌、年代記、人物伝、公文書を合わせて読むことで、町の多面的な歴史像を検討できます。
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- 原刊
- トトニカパン/ケサルテナンゴ、Establecimiento Tipográfico «Popular»、1897年
- 翻訳版
- 397頁
- 図版・挿図
- 1点
- 原刊言語
- スペイン語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Jesús E. Carranza, Un pueblo de Los Altos: apuntamientos para su historia, Totonicapán / Quezaltenango: Establecimiento Tipográfico “Popular”, 1897.
- 権利・利用条件
- 1897年刊の原著本文はパブリックドメインです。Internet Archiveの当該項目メタデータはPossible copyright statusを「NOT IN COPYRIGHT」と表示しています。同項目に個別のCreative Commonsライセンスは表示されていません。原刊標題紙画像は同公開スキャンから採録しました。
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