書籍
THE GÜEGÜENCE · 1883
原題The Güegüence; A Comedy Ballet in the Nahuatl-Spanish Dialect of Nicaragua
グエグエンセ
ニカラグアのナワトル語・スペイン語混成方言による喜劇舞踊
老商人グエグエンセと息子たちが総督や役人と交わす応酬を描いた、ニカラグアの喜劇舞踊です。ブリントンは混成語の台詞を英訳し、先住民の言語、演劇、舞踊、楽器について論じました。コーネル大学図書館所蔵の1883年フィラデルフィア刊初版を底本としています。
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ダニエル・G・ブリントンが紹介・考察した『ゲゲンセ』は、ニカラグアの舞踊を伴う喜劇です。老商人ゲゲンセと息子たち、総督や役人の応酬を中心に、取引、身分、権威をめぐる駆け引きが展開します。スペイン語とナワ系の語句が混じる台詞に、聞き違いを装った受け答えや大げさな自慢が重なり、命令する側と従う側の関係が笑いの中で揺さぶられます。
ゲゲンセは自分の商売や財産を誇示しながら、相手の要求をかわしていきます。持ち物を広げたつもりが、天幕の穴から見える星を差し出すような話になり、富の自慢が粗末な実物と食い違います。息子ドン・フォルシコの多才さを持ち出したり、役人の肩書と儀礼上の道具の不一致をからかったりする場面には、言葉を真に受けることと、巧みにずらすことの面白さがあります。
台詞のやりとりは踊りと結びつき、登場人物の振る舞いそのものが芝居を進めます。酒や荷運びの動物をめぐる話もあり、商人の世界と地方の権力が、身近な要求や品物を通じて接触します。物語の筋だけでなく、反復する呼びかけ、誇張、舞台上の動きが重要であり、文字として読む戯曲の中にも、声と身体による上演のあり方が残されています。
ブリントンの考察は、作品を孤立した珍しい台本として扱わず、ナワ系とマンゲ系の人々、地域の舞踊劇、音楽や楽器の背景へ広がります。土製の笛などの比較を通じて、芝居の周囲にある表現文化を検討します。作品や写本の来歴、人物の役割、関連する『マチョ・ラトン』にも触れ、地域の言語と芸能の関係を理解するための材料を並べています。
語彙と注釈では、混合した表現をスペイン語とナワトル語の双方から説明しようとしますが、意味を確定できない句も残ります。個々の語源や古さに関する説明には著者の推定が含まれるため、台詞そのものと研究上の解釈を区別して読むことができます。民衆的な笑い、商業生活、植民地以来の言語接触が一つの舞台に集まる作品であり、その独特な機知と、十九世紀の研究者がそれを読み解こうとした過程の両方に触れられる一冊です。
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- 原刊
- フィラデルフィア、D. G. Brinton、1883年
- 翻訳版
- 124頁
- 日本語訳表紙
- 19点
- 原刊言語
- 英語・スペイン語・ナワトル語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Daniel G. Brinton (ed.), The Güegüence; A Comedy Ballet in the Nahuatl-Spanish Dialect of Nicaragua, Brinton’s Library of Aboriginal American Literature, No. III, Philadelphia: D. G. Brinton, 1883. 前付lii頁・本文94頁。
- 権利・利用条件
- 原著本文・原挿図はパブリックドメインです。コーネル大学図書館所蔵本の公開画像は、米国で本文利用に既知の著作権制限なしと表示されています。Project Gutenberg第40559号も米国でパブリックドメインと表示されており、転写・挿図を補助資料に用いました。転写・画像制作者はAndrea Ball、David Starner、Distributed Proofreading Teamです。底本:https://archive.org/details/cu31924021169804。補助資料:https://www.gutenberg.org/ebooks/40559。利用案内:https://www.gutenberg.org/policy/permission.html。
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